「人権週間」に読みたい本 4周年「じんぶん堂」記事からおすすめ10冊
記事:じんぶん堂企画室
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齋藤純一著『平等ってなんだろう? あなたと考えたい身近な社会の不平等』(平凡社)
【記事】なぜ、平等であることが大切なの? 『平等ってなんだろう? あなたと考えたい身近な社会の不平等』
2019年末からつづく新型コロナウイルスの感染拡大は、医療へのアクセスのしやすさや、働きかたの不平等など、社会のさまざまな格差をあらためて浮き彫りにしました。「平等であること」は、なぜ、どのように大切なのでしょうか?
呉永鎬・坪田光平編著『マイノリティ支援の葛藤――分断と抑圧の社会的構造を問う』(明石書店)
【記事】マイノリティを生み出し、固定し、抑圧する社会の構造を照らし出す――『マイノリティ支援の葛藤』
なぜある特定の人々がマイノリティとされ、差別や排除の対象とされるのか。かれらが直面する困難さとはいかなるものか。困難さを打破するために何ができるか――。これらを個々のマイノリティの問題として論じるのではなく、共通した社会構造の問題として捉え、さまざまなマイノリティを対象に、その問題を横断的に論じていく一冊です。
ショーン・フェイ著、高井ゆと里訳『トランスジェンダー問題――議論は正義のために』(明石書店)
【記事】「トランスジェンダー問題」は、シスジェンダー問題である
これまで自伝や研究書に偏っていたトランスジェンダーを扱った書籍の中で、事実に基づき社会変革に向けて開かれた議論を展開する画期的な一冊です。本書の概要や、シスジェンダー(トランスジェンダーではない人々。短縮形は「シス」)にとっての本書の意味を、『トランス男性による トランスジェンダー男性学』の著者である周司あきらさんに解説いただきます。
田中ひかる著『月経と犯罪 “生理”はどう語られてきたか』(平凡社)
【記事】 「女は月経時に万引きをする」「女は生理中に罪を犯す」 なぜこんなトンデモ説が生まれてしまったのか
女性が罪を犯すと「月経中だったから」との理由で片付けられていた時代がありました。医療などの研究が発展した現在ではまずあり得ないことなのですが、女性の犯罪は月経と関連付けられて考えられていたのです。ではなぜそのような偏見ともいえる見方が生じてしまったのでしょうか。
三谷はるよ著『ACEサバイバー 子ども期の逆境に苦しむ人々』(ちくま新書)
【記事】子ども期の逆境体験者が不利にならない社会へ ――『ACEサバイバー』(三谷はるよ著)より
子どもの時に虐待やネグレクト、家族の問題を重ねた人ほど、その後の人生で苦しむ確率が高いことが、様々なデータで明らかになっています。その人の心身に悪影響を及ぼし、病気、低学歴、失業、貧困、孤立など様々な困難と関連しています。『ACEサバイバー』は、その実態を明らかにし、彼らが生きやすく、不利にならない社会にするための提言をする一冊です。
渡辺一史著『なぜ人と人は支え合うのか 「障害」から考える』(ちくまプリマー新書)
【記事】「やまゆり園障害者殺傷事件」の背景にあるもの 渡辺一史『なぜ人と人は支え合うのか』より
2016年夏、相模原市にある障害者施設で19人が刺殺され、27人が重軽傷を負った。社会を震撼させた事件の背景に何があったか。『なぜ人と人は支え合うのか』より、そのあらまし、考える手がかりを追う一節を紹介します。
有薗真代著『ハンセン病療養所を生きる 隔離壁を砦に』(世界思想社)
【記事】現代に差しのべられた言葉の橋 ハンセン病と水俣をつなぐもの
ハンセン病を得た人たちは、療養所内でどんな活動をしていたのでしょう。『ハンセン病療養所を生きる 隔離壁を砦に』の著者・有薗真代さんは、彼らから、試練のなかにあるとき、いかに笑えばいいかを教わったといいます。古書店カライモブックスの店主・奥田直美さんに、この本を読んでいただきました。
李英美著『出入国管理の社会史―戦後日本の「境界」管理』(明石書店)
【記事】日本の「入管問題」の淵源を探るために―貴堂嘉之さん評『出入国管理の社会史』
第二次世界大戦での敗戦と帝国の解体の後、地方の現場は日本人/外国人を分かつ境界をどのように創出してきたのでしょうか。李英美さんの著書『出入国管理の社会史―戦後日本の「境界」管理』は、制度と現場の乖離に着目しつつ、戦後日本の移動管理の実態を考察した歴史書です。
クリスティーナ・カッターネオ著、栗原俊秀訳、岩瀬博太郎監修『顔のない遭難者たち』(晶文社)
【記事】移民・難民への無関心はどこからくるのか? クリスティーナ・カッターネオ『顔のない遭難者たち――地中海に沈む移民・難民の「尊厳」』
身元不明者が移民・難民である場合、その遺体を「放っておけ」と言う人々がいる。それはなぜか? 欧州で初めて移民遭難者向けデータバンク創設に着手した著者による法医学ノンフィクション『顔のない遭難者たち』では、移民・難民への無関心を指摘しています。
ディートリヒ・シュルツェ=マルメリング著『FCバイエルンの軌跡 ナチズムと戦ったサッカーの歴史』(白水社)
【記事】ユダヤ人排斥という「差別」と戦ったドイツサッカー 王者FCバイエルン120年の歴史
ドイツのサッカー王者、FCバイエルン・ミュンヒェン。今ではブンデスリーガの「最多優勝記録保持者」として有名ですが、120年の歴史を築いた選手や指導者にユダヤ系の人びとが数多く存在したことはあまり知られていません。かつてナチズムが台頭した時代に、何があったのか?