磯部涼「新しい音楽とことば」書評 歌詞について語り尽くす
評者: 朝日新聞読書面
/ 朝⽇新聞掲載:2015年03月29日

新しい音楽とことば 13人の音楽家が語る作詞術と歌詞論 (SPACE SHOWER BOOKS)
著者:磯部 涼
出版社:スペースシャワーネットワーク
ジャンル:芸術・アート
ISBN: 9784907435424
発売⽇:
サイズ: 20cm/350p
新しい音楽とことば [編]磯部涼
電気グルーヴの石野卓球やアジアン・カンフー・ジェネレーションの後藤正文ら、13人のミュージシャンが歌詞について語り尽くしたインタビュー集。七尾旅人が「言葉を歌っていくことの九割は苦しみ」と吐露すれば、湘南乃風の若旦那は「湘南乃風と俺の歌詞のすべてのルーツは、さだまさしさんなんですよ」とぶっちゃける。
「翼広げ過ぎ」「瞳閉じ過ぎ」——。何かと批判を浴びがちなJポップ歌詞だが、編者の磯部涼は、歌詞がつまらなくなったのではなく社会のリアリティーが変容したのだと説く。「Jポップなんて」と十把一絡げに断じる前に、本書に込められたアーティストたちの言霊に触れてみてほしい。
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スペースシャワーブックス・2484円