1. HOME
  2. 書評
  3. みそ汁にも気象学があったとは

みそ汁にも気象学があったとは

雲の中では何が起こっているのか 雲をつかもうとしている話 (BERET SCIENCE) 著者:荒木 健太郎 出版社:ベレ出版 ジャンル:自然科学・環境

価格:1836円
ISBN: 9784860643973
発売⽇: 2014/06/23
サイズ: 19cm/343p

雲ができる仕組み、竜巻やゲリラ豪雨などの気象災害をもたらす雲の中で起こっていること、雲と気候変動との関係…。雲の仕組みの研究者が、雲の楽しみ方をあますところなく伝える。【…

評者:朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2014年07月06日

雲の中では何が起こっているのか [著]荒木健太郎

 雲をつかむといえば、物事が漠然としている様子をさすが、気象学の最前線ではまさに雲をつかもうとする研究が進む。その全容がわかりやすく説かれる。著者が所属する気象庁の気象研究所には「雲生成チャンバー」という装置がある。内部の気温と気圧を制御して高度25キロまでの大気の状態を再現し、対流圏内の雲はすべて作れる。
 章末のコラムも楽しい。湯気の立つみそ汁に火のついた線香を近づけると、湯気が白く濃くなる。線香から発生した微粒子が雲凝結核になるからだ。一方、みそ汁の中では表面と下層に温度差があるので、上昇流と下降流が規則的に並び、積雲の内部と同じセル状対流が見られる。みそ汁にも気象学があったとは。
    ◇
(ベレ出版・1836円)