仕事も作れるのではないか
評者: 朝日新聞読書面
/ 朝⽇新聞掲載:2013年10月27日

FABに何が可能か 「つくりながら生きる」21世紀の野生の思考
著者:田中 浩也
出版社:フィルムアート社
ジャンル:技術・工学・農学
ISBN: 9784845913046
発売⽇:
サイズ: 18cm/327p
FABに何が可能か [編著] 田中浩也、門田和雄
FABは「ファブリケーション(製造)」の略。日曜大工の発展形といえる「パーソナル・ファブリケーション」の報告だ。立体物を生み出せる「3Dプリンター」などのデジタル工作機械の登場で、一人のニーズに合わせた「超多品種少量生産」が可能になった。鎌倉の「ファブラボ」では時計の文字盤、ランドセル……何でも作る。市場とやりとりしながら製品を改良するのも簡単だ。データさえ送れば地球の裏でも同じ物を作れるから、日本のスリッパがケニアではサンダルに変身することも。副題は「『つくりながら生きる』21世紀の野生の思考」。何でも作るのなら、仕事も作れるのではないか——産業構造の変化も予感させる。
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フィルムアート社・2310円