1. HOME
  2. 書評
  3. 見えない見どころがいっぱい

見えない見どころがいっぱい

文学のことば 著者:荒川 洋治 出版社:岩波書店 ジャンル:小説・文学

価格:1944円
ISBN: 9784000246873
発売⽇:
サイズ: 20cm/196p

ことばでしっかり書き表す、そこに未来が生まれる。現代詩作家が見つめ、眺める、ことばの旅。【「BOOK」データベースの商品解説】文学のことばには、見えない見どころがいっぱい…

評者:朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2013年08月25日

文学のことば [著]荒川洋治

 「文学のことばには、見えない見どころがいっぱいある」と、著者は考えている。文学といっても、小説や詩のことばだけとは限らない。たとえば、犬の「お手」。成犬に「お手」と声をかけると、前脚を思いきり予想外のところに突きだしてくるときがある。常識から飛躍したその振る舞いに驚き、あわてて、これも「詩だ」と思う。
 あるいは、スーパーなどからもらってきた段ボールに印刷されていることば。熊本の「はちべえトマト」、千葉の「匝瑳(そうさ)のさくら色たまご」……。遠くから運ばれてきて、空になり、いま手元にある箱の文字を楽しみ、旅ごころをさそわれる。あらゆる場面でことばを見つめる現代詩作家の好エッセー集。
    ◇
 岩波書店・1890円