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信者が読んだら卒倒か

天のお父っとなぜに見捨てる 著者:小嵐 九八郎 出版社:河出書房新社 ジャンル:小説・文学

価格:3780円
ISBN: 9784309021539
発売⽇:
サイズ: 20cm/509p

ローマへの蜂起に失敗して再起を期して彷徨うシモンとユダがめぐりあったナザレ出身の男は素朴な人格と過激な教えによって強烈な魅力をはなっていた。なぜイエスはかくも魅力的なのか…

評者:朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2013年02月24日

天のお父っとなぜに見捨てる [著]小嵐九八郎

 『日本名僧奇僧列伝』を3年前に著した作家が、今度は新しいイエス像に取りくんだ。エジプトで新たに発見された古文書の翻訳という形で、処刑に至る物語がつづられる。イエスはひげ面の大酒飲みで、マグダラのマリアに迫って拒まれると、落ちこんで山にこもる。「求めるがんすよ、そしたら、与えられる」と著者の故郷秋田の方言で話もする。信者が読んだら卒倒しかねない人物造形だが、人間味に満ちている。
 ユダの裏切りについても、あえて師を売り、イエス派の結束を固めようとした、と独自の解釈を見せる。全編に猥雑(わいざつ)なエネルギーがみなぎり、宗教誕生の熱気が伝わってくる。
    ◇
 河出書房新社・3675円