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カフカやチャペックが行き来した都

 デレク・セイヤー氏の『プラハ、二〇世紀の首都 あるシュルレアリスム的な歴史』(阿部賢一ら訳、白水社・1万4580円)は浩瀚(こうかん)な文化・芸術資料を渉猟した大著。「19世紀の首都・パリ」を描こうとした思想家ベンヤミンを継ぎ、「20世紀の首都・プラハ」の描写に挑んだ。シュバンクマイエル監督のえぐい映画さながら、シュルレアリスムの黒いユーモアが塗られたプラハに、作家カフカ、チャペックらが行き来する様が活写される。=朝日新聞2018年11月3日掲載