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「料理が苦痛な人」に寄り添ったレシピ本が集合! 「第6回 料理レシピ本大賞 in Japan」授賞式レポート

文・写真 :根津 香菜子

 今年エントリーされた応募作品は全139タイトル。その中から、全国の書店員からなる「書店選考委員」と、料理専門家たちによる「特別選考委員」による投票によって、各賞が決まります。
 表彰状のプレゼンターは、第1回目から同賞のアンバサダーを務める、お笑いコンビ「キャイ~ン」の天野ひろゆきさん。自身もレシピ本も発売するほどの料理好きで、先日、3歳のお子さんに好きな料理を聞いたところ「チンジャオロース」という答えが返ってきたのだとか。「3歳で『チンジャオロースが好き』って言う子も珍しいと思うけど、食材を均一に切りそろえるのは料理の基本なので、私の血を引いているなと感じました」と、微笑ましいエピソードを披露しました。

 それでは、各部門の大賞を受賞した作品と、受賞者のコメントを抜粋してご紹介します。

 「料理部門」の大賞に輝いたのは、全レシピに材料や工程がひと目でわかる写真が印象的な『世界一美味しい手抜きごはん』(はらぺこグリズリー/KADOKAWA)です。第4回目に大賞を受賞した『世界一美味しい煮卵の作り方』(光文社)に続き、今回が2度目の受賞となった著者の「はらぺこグリズリー」さんは「みなさんの大切なお金で買っていただくので、絶対に損のない本にしようと思っていました。何か少しでも人様のお役に立てたらという思いの結果、このような場に立つことができ、感謝の気持ちでいっぱいです」と、喜びを語りました。

写真右から2番目が、著者の「はらぺこグリズリー」さん(お顔はNG)

 その他の「料理部門」入賞作は、以下の8作品です。
『土井善晴の素材のレシピ』(土井善晴/テレビ朝日コンテンツ事業部)
『作りおき&帰って10分おかず336』(倉橋利江/新星出版社)
『一肉一菜おかず』(吉田麻子/秀和システム)
『フライパンひとつで何つくる?』(井原裕子/成美堂出版)
『その調理、9割の栄養捨ててます!』(東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部:監修/世界文化社)
『医者が考案した「長生きみそ汁」』(小林弘幸/アスコム)
『クタクタでも速攻でつくれる! バズレシピ 太らないおかず編』(リュウジ/扶桑社)
『syunkonカフェ どこにでもある素材でだれでもできるレシピを一冊にまとめた「作る気になる」本』(山本ゆり/扶桑社)

 「絵本賞」受賞作の『カレーライス』(小西英子/福音館書店)は、ページをめくるたびに、いい香りが漂ってきそうで、食欲がかきたてられる絵本です。著者の小西さんは「カレー独特の匂いや味など、目には見えないものを表現したかった」と、作品について語っていました。

 「エッセイ賞」を受賞した『料理が苦痛だ』(本多理恵子/自由国民社)は、毎日料理を作り続けることに疲れてしまった人へ向けた、インパクトのあるタイトルが目を引く1冊です。鎌倉で料理教室を主宰する著者の本多さんは、挨拶で「料理は得意でも好きでもなかった私ですが、多くの皆さんの支えによってこのような場に立てたことを感謝しています」と語りました。

 また、1ヶ月の食費を自炊1万円+外食1万円でやりくりする著者のおづまりこさんの『おひとりさまのあったか1ヶ月食費2万円生活』(KADOKAWA)が「コミック賞」を受賞。「私にとって、本作は初めての本です。普通の家庭料理という不安もあったのですが、読者の方から『作ってみました』と言っていただき、嬉しかったです」と、おづさん。

 「お菓子部門」の大賞は、おうち料理研究家の「みきママ」こと、藤原美樹さんの『世界一親切な大好き! 家おやつ』(主婦の友社)です。誰でも見たままに作れるようにと、何度も試作を重ねたそうで「この本を読んだ70歳のご夫婦から『ロールケーキを作りました』という感想もいただいて本当に嬉しいです!」と語る藤原さんは、天野さんと「キャイ~ン!」のポーズを決め、会場を沸かせました。

 また、特別選考委員が一次通過作品の中から選出する「特別選考委員賞」に選ばれたのは、宮下奈都さんの『とりあえずウミガメのスープを仕込もう。』(扶桑社)は、宮下さんにとって様々な変化があった6年半の月日を、「食」を通して書き綴ったエッセイです。この日、福井県から会場に駆け付けた宮下さんは「憧れの料理家の先生たちに会いたくて来ました。こんな素晴らしい賞を頂き、とても光栄です」と喜びを噛みしめる様子に、会場からも拍手が起こりました。

 表彰式後には、受賞作の中から、掲載している料理を再現した3品が用意され「お菓子部門」で大賞を受賞した『世界一親切な大好き! 家おやつ』の中から、レモンパイを試食した天野さんは「めちゃめちゃ美味しい! 絶妙な酸味のおかげで、より甘さを感じます」と絶賛! 

 今年の受賞作の多くに共通しているのは「時短で、手抜きでも美味しくできる」ことと、「健康志向」というキーワード。また、料理レシピ本の著者に男性が増えたこともあり「昭和の頃までは当たり前のようだった「料理は奥さんが作る」という流れが、少しずつ変わってきているのかなと感じました。「料理が苦痛だ」という人に「ちょっと手抜きしてもいいんだよ」と寄り添うような料理本が増えてきていると感じましたね」と天野さん。

授賞式後の立食パーティーでは、受賞レシピ本の料理を完全再現したメニューがズラリ!

 近年は、便利で使い勝手のいいネットのレシピを見る人が増えているそうですが、すぐに作ってみたくなる実用的なものから、「どんな味なのかな?」と気になるメニューまで、読む人それぞれに合った使い方や楽しみ方ができるのがレシピ本の魅力だと思います。レシピ本を参考に実際に作ってみるもよし、「美味しそうだな~」と読んで味わうもよし! 書店に行って実際に手に取り、気になる一冊を見つけてみてください。