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王谷晶さんと柚木麻子さん、受賞なら日本作品で初 英ダガー賞発表へ

王谷晶さん(左)と柚木麻子さん

 世界で最も知られるミステリー文学賞の一つ、英ダガー賞が3日夜(日本時間4日朝)に発表される。今年の翻訳部門の最終候補6作には、王谷晶さんの「ババヤガの夜」の英訳版「The Night of Baba Yaga」(サム・ベットさん訳)と、柚木麻子さんの「BUTTER」(ポリー・バートンさん英訳)が入っており、受賞すれば日本作品としては初めての快挙となる。

 1955年に創設されたダガー賞は、英国推理作家協会(CWA)が優れた犯罪小説やミステリー小説に贈る賞。米国のエドガー賞と並び、ミステリー文学賞として世界的な知名度を誇る。

 対象は1年間に英国で刊行された英語作品で、最優秀長編に贈られるゴールド・ダガー賞には、ジョン・ル・カレ、ディック・フランシス、パトリシア・コーンウェルの各氏ら、著名な作家の作品が受賞してきた。

 他に短編小説などの部門があり、2006年から翻訳部門が独立。歴代受賞作には、ピエール・ルメートルさんの「その女アレックス」やフレッド・ヴァルガスさんの「死者を起こせ」など、日本でも人気の作品も多い。

 日本からは16年に横山秀夫さん「64(ロクヨン)」、19年に東野圭吾さん「新参者」、22年に伊坂幸太郎さん「マリアビートル」が最終候補に。24年には、優れたスパイ小説や冒険アクションなどに贈られるイアン・フレミング・スチール・ダガー部門で、伊坂さんの「AX アックス」が最終候補になったが、米エドガー賞も含め、日本作品はいずれも受賞には至っていない。

(堀越理菜、野波健祐)朝日新聞デジタル2025年07月03日掲載

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