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芸と役者への敬愛にあふれた1冊

芸と人 戦後歌舞伎の名優たち 著者:織田 紘二 出版社:演劇出版社 ジャンル:芸術・アート

価格:2052円
ISBN: 9784861840050
発売⽇:
サイズ: 20cm/285p

華やかな舞台の裏側で見せる、名優たちの芸への畏れ、厳しさ。時にのぞかせる、その素顔…。同時代に生き、歌舞伎の制作の現場で著者が肌で感じた23人の「芸と人」を綴る。『演劇界…

評者:朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2011年06月12日

芸と人―戦後歌舞伎の名優たち [著]織田紘二

 東京・国立劇場で43年間、舞台の制作や演出に携わった著者が、現場で接した歌舞伎俳優の芸と人となりをつづる。六代目歌右衛門、初代白鸚、十四代目勘弥、二代目松緑ら昭和の名優23人を取り上げている。
 役者は全役のせりふと型を覚えていなければならないとされるが、「熊谷陣屋」の稽古で監修をしていた女形の歌右衛門は熊谷直実まで本当にやってみせた。三島由紀夫作の「椿説弓張月(ちんせつゆみはりづき)」初演の際、大詰めで白馬にまたがって宙乗りする演出に三島はこだわったが、主演の白鸚が高所恐怖症のため実現できなかった。勘弥は、まだ声変わり最中の少年だった玉三郎を容赦なく指導し、著者は驚く。芸と役者への敬愛にあふれた1冊だ。(演劇出版社・1995円)