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「筒井康隆展」東京で開催 型破り、「変な作家」の世界体感 原稿やメモなど約千点 

断筆人形

 作品も作家自身も型破り。東京・世田谷の世田谷文学館で開催中の「筒井康隆展」は、時代を走り続けてきた前衛作家の全体像をとらえようとする大規模な展覧会だ。12月9日まで(月曜休館)。

 内覧会の囲み取材で、筒井さんは「ずいぶん変な作家ですねえ」と会場を見渡した。「映画作ったり、芝居やったり、断筆したり、炎上させたり。変な作家ですね」とひとごとのよう。

 原稿や自筆メモ、ポスターやグッズ、書籍など約千点が並ぶ。迷宮のような構成の会場には、解説パネルもあいさつパネルもない。作家の世界を体感する展示だ。50音が一文字ずつ使えなくなる長編『残像に口紅を』(1989年)で使っていた巨大なワープロ、91~92年に朝日新聞で連載した「朝のガスパール」で交わされたパソコン通信の記録、挿絵を担当した真鍋博さんとの打ち合わせメモなどが並ぶ。「あんまり覚えていないですね。グッズも初めて見るようなものが多いですよ」と筒井さん。

筒井康隆さん

 作家の個展で類を見ないのが断筆コーナー。差別表現をめぐって93年に「断筆宣言」をしたときの「断筆人形」や「断筆中」と書いた色紙、その後の「執筆再開」を宣言する色紙まで。

 「代表作はありませんが面白いことばっかりやってきました。類似の作家はちょっといないんじゃないか。どうやってこんな変な作家になったのか、ご一興ではないでしょうか」(中村真理子)=朝日新聞2018年10月24日掲載