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縄文・弥生、狩猟採集の暮らしに迫る 千葉県内で二つの展覧会

ケース二つの「弥生狩猟民展」

 豊かな山の幸や海の幸を糧にしていた先史時代の狩猟採集民はどんな生活を営んでいたのか。このテーマに挑んだ二つの展覧会が千葉県内で開かれている。
 まずは、今注目の縄文時代から。船橋市の飛(とび)ノ台(だい)史跡公園博物館で開催中なのが「ここまでわかった!~1万年前の取掛西(とりかけにし)貝塚」展(3月3日まで、月曜休み)。取掛西貝塚は約1万年前の縄文早期前半の貝塚と集落からなり、集落の規模はこの時期では関東最大級と考えられている。
 展覧会では、シカやイノシシの頭の骨が並んで出土した儀礼の跡などを再現。1万年前の縄文人の暮らしに迫る。
 一方、稲作農耕が伝来した弥生時代になっても、狩猟採集を生業とする人はいた。
 千葉市生涯学習センターの「弥生狩猟民展」(2月24日まで)はタイトル通り、このような人々に焦点をあてた珍しい巡回展。ケース二つほどのミニ展示ながら、鹿角(ろっかく)や獣骨で作られた狩猟具や漁労具、シカの骨などを利用して占いを行った卜骨(ぼっこつ)などの遺物を通じ、農耕民とは異なる文化を形成していた彼らの営みに光をあてる。
 いずれも企画者の意図と意欲が伝わる「佳作」の展示である。(編集委員・宮代栄一)=朝日新聞2019年2月13日掲載