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アキバファンから作品400点 私の想う秋葉原の景色

展示作品を手にする協力企業や団体の人たち=プロジェクト事務局提供

 「サブカルチャーの発信地」として人気の東京・秋葉原。コロナ禍で海外からの観光客も激減し、アニメやアイドルのファンが集う機会も少なくなった。そんな街を再び元気にしようと、地元の企業や団体などが参加・連携する「秋葉原応援プロジェクト」が始動した。

 その第1弾となる「DRAW MY AKIBA」が9日まで、街中を展示会場にして開催中だ。

 「わたしの想(おも)う、秋葉原の景色」をテーマに作品を募り、国内外の「アキバファン」から約400点が寄せられた。カリフォルニア州に住む米国人の「Gabe Razo」さんの作品「秋葉原の街並み」は、大型家電店が並ぶ中央通りを色彩豊かに表現した。「街並み 女子高生」は、電気街の景色が好きというペンネーム・橘屋あれんさんの作品。地元の幼稚園児や小学生、アニメの専門学校生ら、様々な人たちが描いた街の景色がある。

 秋葉原駅の東西自由通路や神田明神、協力企業の店舗など街角での展示だけでなく、駅前のビル大型スクリーンで紹介したり、ツイッターやインスタグラムで発信したりしている。

 電気街として発展してきた秋葉原は2000年ごろからアイドルやゲーム、アニメ好きが集まるサブカルチャーの発信地に。海外からも年間約3千万人が訪れる日本を代表する観光地となった。秋葉原駅の約500メートル圏内は、19年時点で6400社、11万人が働くオフィス街でもある。高層マンションも増えており、観光や通勤、地元住民ら多様な人が集う街の顔を持つ。

 そんな街も、コロナ禍で大打撃を受けた。多くの飲食店が廃業し、倒産する中小・零細業者が後を絶たない。駅前でも空きテナントが目立つ。感染リスク対策でアイドルは活動できず、イベント自粛が続く。

 秋葉原応援プロジェクトには、36の企業・団体と、住民、シェアオフィスを利用するユーチューバーらが参加する。秋葉原では企業間で連携した活動は珍しいという。「この企画を地域がつながる契機にして、街を盛り上げていければ」とプロジェクトの事務局を務めるNTT都市開発ビルサービスの松下友美さん。今回多くの作品が寄せられたことにも勇気づけられたという。「この街が幅広い層から親しまれていることを改めて実感しました」

 応募作品は、プロジェクトのホームページ(https://drawmyakiba.com/)とインスタグラム(drawmyakiba2020)で見ることができる。

(砂押博雄)朝日新聞デジタル2021年05月05日掲載