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画家の村上豊さん死去 司馬遼太郎「風の武士」連載の挿絵など

村上豊さん

 味わい深い墨絵で親しまれ、連載小説の挿絵などを多く手掛けた画家の村上豊(むらかみ・ゆたか)さんが22日、死去した。86歳だった。葬儀は近親者で営む。喪主は妻英美さん。

 1936年、静岡県三島市生まれ。三島市役所勤務を経て、画家を志し上京。60年に司馬遼太郎の連載「風の武士」の挿絵に起用され、新聞や雑誌の連載小説の挿絵や書籍の装丁などを手がけるようになった。

 小説「濡(ぬ)れにぞ濡(ぬ)れし」などの挿絵で講談社さし絵賞を受けたほか、絵本「かっぱどっくり」などで小学館絵画賞、「はかまだれ」で絵本にっぽん賞を受賞。挿絵と装丁の業績で菊池寛賞、「本朝奇談(にほんふしぎばなし) 天狗(てんぐ)童子」で赤い鳥さし絵賞も受賞した。吉村昭「彰義隊」、東郷隆「青銭大名」など朝日新聞の連載小説の挿絵も手がけた。

朝日新聞デジタル2022年07月25日掲載