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直木賞の一穂ミチさん コロナ禍で犯罪描く必然性 マスクのわけも

第171回直木賞に決まった一穂ミチさん=2024年7月17日午後8時29分、東京都千代田区、川村直子撮影

 「ツミデミック」で第171回直木賞の受賞が決まった一穂ミチさんの一問一答は以下の通り。

 ――いまの気持ちは。

 待っている間、緊張にたえかねてビールを飲んでしまった。高齢の母がいるので冥土の土産になんとか間に合ったなと。

 ――小説のテーマはパンデミック下の犯罪。ご自身もパンデミックを経験したが、何を感じ、作品に反映したか。

 もともとパンデミックをテーマに書こうと決めていたわけではない。コロナ禍のなか、雑誌に一編二編と書いていくうち、小説のことを考えていてもコロナが頭から離れない。どうしても小説にコロナの要素が入ってしまう。それなら、コロナ禍の人たちをテーマとして、一冊の本にしようと。結構長いスパンで掲載したので、先行きの見えない閉塞(へいそく)感のなか書いたものもあれば、ワクチン接種が始まり、なんとなくウィズコロナの方向性がみえたときに書いたものもある。物語が進むにしたがって、社会のムードと協調するように明るい話になっていった。リアルタイムのパンデミック下でなければ生まれなかった小説だと思う。

 ――小説だから書けたことは。

 うーん。小説以外の表現方法に達者ではないので、その辺はよくわかりません。

 ――コロナ禍のなかで犯罪に焦点をあてた理由は。

(真田香菜子)朝日新聞デジタル2024年07月17日掲載

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