横川正紀さんからのメッセージ
読書は、著者の言葉を通して自分に向き合える特別な時間。新しい本との出会いにもワクワクするが、昔読んだ本を読み直してみるとまた違った世界が広がり、新たな発見があるのも楽しみの一つです。
横川正紀さんお薦めの本
『生きるということ 新装版』エーリッヒ・フロム 佐野哲郎 訳
紀伊国屋書店 2090円
佐野哲郎さんによるあとがきの通り、〈持つこと〉〈あること〉とは生きるということの根源にかかわる。自分や取り巻く環境を見つめ直し、何を大切にすべきかに思いを巡らすことに。先人たちの言葉には未来へのヒントがあふれている。
『いのちを呼びさますもの―ひとのこころとからだ―』稲葉俊郎
アノニマ・スタジオ 2200円
人の体は約60兆個という途方もない細胞の集合体だそうだ。この本は生まれてから当たり前のように思ってきた自分の体に向き合うきっかけを与えてくれた。見るべき世界は自身の内側にもあること、自分自身は常にここにいることを。
『スローフード宣言 食べることは生きること』アリス・ウォータースほか 小野寺愛 訳
海士(あま)の風 1980円
価値観が人の行動を決め、人の行動が文化を作る。食は日常において最も身近で、我々にとって切っても切れないもの。どう食べるかが、どう生きるかに直結する。作り手への感謝を忘れず、目の前の食事をしっかり味わっていきたい。
=朝日新聞2026年10月8日掲載