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現代に残る「占領」の痕跡

占領空間のなかの文学 痕跡・寓意・差異 (岩波現代全書) 著者:日高 昭二 出版社:岩波書店 ジャンル:小説・文学

価格:2592円
ISBN: 9784000291521
発売⽇:
サイズ: 19cm/292p

占領空間のなかで、人々はどのような文学的営為を繰り広げていたのか。未曽有の経験の下に紡がれた様々なテクストを精緻にたどることから、自由と解放、GHQによる検閲など、同時代…

評者:朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2015年03月01日

占領空間のなかの文学—痕跡・寓意・差異 [著]日高昭二

 1945年8月の敗戦から52年4月の講和条約の発効までの7年近く、日本は連合国軍の占領下にあった。その時期に書かれた小説には、占領の実態に直接触れていなくても、絵画の地の色のように占領空間があらかじめ封じ込められている。釈放された政治犯の映像に始まる宮本百合子「風知草」を皮切りに、中野重治や太宰治ら多くの作家を取りあげ、作品に交差する「占領」を追跡する第1章では、連合国軍の禁止コードをパロディーで無力化する太宰の戦略など興味深い。
 戦後70年、「占領」が文学に残した痕跡は、現代の日本にも依然として、位相を少し変えて刻まれ続けているのではないかとも思える。
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岩波現代全書・2592円