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根本に閉経前後の女の体

閉経記 著者:伊藤 比呂美 出版社:中央公論新社 ジャンル:エッセイ・自伝・ノンフィクション

価格:1512円
ISBN: 9784120044656
発売⽇:
サイズ: 20cm/205p

漢は“おとこ”にあらず。おばさんと呼ばれる女たちこそ漢“おんな”である。老いと戦い、からだと戦い、家族と戦い、世間と戦い、平安な日々はやってくるのかしら?無頼で軽妙な調べ…

評者:朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2013年02月10日

閉経記 [著]伊藤比呂美

 『良いおっぱい 悪いおっぱい』の詩人は57歳になっても、相変わらずエネルギッシュだ。カリフォルニアと熊本を行き来しながら元気に生きる。「経血やしょぼしょぼしょぼと寂しそう」「婆(ばば)の乳垂れて萎(しな)びて夏の果て」。こんな俳句をタイトルにした48編のエッセーで、その日々がつづられている。何を書いても、根本には閉経前後の女の体があるという。
 雑誌「婦人公論」に載ったときの連載名は「漢である」だった。「漢」と書いて、「おんな」と読ませる。同世代のおばさんと呼ばれる女性たちの、正義心や行動力、人生に対する覚悟と矜持(きょうじ)を表す言葉として。その漢の生がまばゆい。
    ◇
中央公論新社・1470円