「笑顔の国、ツバルで考えたこと」書評 おおらかな暮らしぶりも紹介
評者: 朝日新聞読書面
/ 朝⽇新聞掲載:2011年08月28日

笑顔の国、ツバルで考えたこと ほんとうの危機と幸せとは
著者:枝廣 淳子
出版社:英治出版
ジャンル:社会・時事・政治・行政
ISBN: 9784862761071
発売⽇:
サイズ: 21cm/206p
笑顔の国、ツバルで考えたこと [著]枝廣淳子、小林誠
地球温暖化で海に沈みゆく島という悲劇的な側面が強調されるが、おおらかな暮らしぶりも紹介している等身大の報告書だ。
ツバルを構成する九つの島のほとんどは標高1〜2メートルで、人口は約9000人。主要な食べ物はココナツやパンノキ、タロイモなど。伝統的な踊りは「ファーテレ」。でも、ツバルをツバルたらしめているのは彼らの笑顔だという。だれにでも「タロ〜ファ〜」(こんにちは)と声をかける民族性を知ると、こちらまでほおがゆるむ。現地で1週間を過ごした筆者が「1日に100回ぐらいにっこりしていました」というのに納得。写真家でツバル環境親善大使の遠藤秀一さんが撮ったカラー写真の数々が、理解を助けてくれる。(英治出版・1575円)