前回、いつもと違った目線で街を見ることができる「街角図鑑」を取り上げましたが、今回おすすめする図鑑も似たような視点で日常の風景を切り取った一冊です。
「団地の給水塔大図鑑」は、街中にある給水塔を、それも団地限定という縛りで紹介する稀有な図鑑。著者の小山祐之さんは日本各地の団地にある給水塔を巡り続け、団地の給水塔を鑑賞する「日本給水党」をインターネット上で立ち上げたほどの給水塔マニアです。
収録されている給水塔の数は、なんと400基超! 図鑑というからには、写真だけでなく、その姿形で分類をし、各給水塔の所在地やそれらが現存するか否かなどのデータもあわせて掲載しています。
編集担当・竹重みゆきさんのお気に入りは、沖縄県にある「登れる給水塔」。パッと見は、もはや給水塔には見えません。
「まるで怪物のような派手な外見と、途中まで登ることができるという点が給水塔界のトリックスター的存在です」と竹重さん。もともとは給水塔のことはあまり知らなかったそうですが、今では団地名を聞いただけで給水塔の姿が浮かんでくるようになったんだとか。
本書であなたも給水塔マニアへの扉を開けてみてはどうでしょうか?