累計50万部を突破した「すごすぎる図鑑」シリーズは、おもしろくて学びもある知識がぎゅっと詰まった人気シリーズ。これまで、天気や植物、地理など、身近だけど意外と知らないことが多いテーマを取り上げてきました。
そんなシリーズの最新作が『すごすぎる絵画の図鑑』です。著者は、ブログ「青い日記帳」を主宰するTak(タケ)さん。年間300以上の展覧会に足を運び、展覧会レビューや書評など幅広くアートにまつわる情報を発信しています。
本書のテーマは、タイトル通り「絵画」。「『モナ・リザ』って何がすごいの?」「日本人が大好きな印象派はどこが新しかったの?」「絵の価値ってどうやって決まるの?」など、古今東西を問わず「名画」といわれる絵画の名画たる理由や絵画にまつわるさまざまな疑問をていねいに解き明かしています。読めば誰かに話したくなること請け合いです。
例えば、意外なものが絵具の材料になっていたという話。いまでこそ当たり前のチューブ式絵具ですが、1841年に発明されるまでは画家が画材屋で材料を買ってそれぞれ工夫して色を作っていたといいます。フェルメールの有名な作品「真珠の耳飾りの少女」に描かれているターバンには、鉱石のラピスラズリから生まれる美しい青色のほかに、牛の尿を材料にしたインディアンイエローという黄色が使われているんだとか。あの名画に牛の尿が一役買っているとは驚きです!
ただ見ただけではわからない名画の秘密を知ると、絵の見方はきっと変わるはず。巻末には、自由に絵画鑑賞を楽しむポイントも紹介されています。絵画鑑賞ってよくわからないと苦手意識がある人でも、自分なりの絵の楽しみ方を見つけるヒントが詰まった一冊です。
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