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『バカとつき合うな』のキングコング・西野亮廣さんが語る「これからは、派手にコケたもん勝ち」

――10月に堀江貴文さんとの共著『バカとつき合うな』、11月にビジネス書の『新世界』、12月に絵本『ほんやのポンチョ』(「にしのあきひろ」名)と3カ月連続で3冊の本を出版します。

 なんでそんなことになったのかなぁ。半ば強引に差し込みました。『バカとつき合うな』の本の話はいただいていたんですよ。絵本はかなり前から発売時期いつにしようかと。それでなんとなく12月にするってなって、10月と12月、出すのかと。書きたい本があったので、急いで書いて、間に差し込んで。

――バカとつき合うなとはこれまた、衝撃的なタイトルですね。

 ひどいタイトルですね(笑)。こっちの本に関しては、言われたとおりにやったんで……。

 実は言われたとおりにやるの、好きなんです。何回かに1回は人の言ったとおりにやります。25歳のときにテレビから軸足ぬいて絵本を書き始めたときも、タモリさんから「絵本書け」と言われてなので。そもそも絵なんて描いたことなかったけど、書くかと。何年か前に、主婦と生活社の女性の編集者から西野でビジネス書を出したいと言われ、「えー、そんなん、誰か興味あるのか?」と思ったけど、少なくともその方は興味があるから、この方と同じ興味の方がおるのかなと。やってみたら意外と面白がっていただいていまに至る。人のいうこと聞いたとき、うまく転んでいるなと。全部は聞きませんが。(笑)

――25歳でテレビと距離を置いて、わかったことは? 絵本の『えんとつ町のプペル』を制作してベストセラーになりましたが。

 やっぱりタレントは、自分が稼働して仕事になるのでどこかで限界がくる。明石家さんまさんの時間は24時間365日しかない。彼らの活動はそれ以上に大きくならない。そこは「天井ある世界」なんだって、テレビを離れてからわかった。

 たとえば、『えんとつ町のプペル』を作りました。これをどこかで個展をやってる、その間自分は違うところで違うことをやってると、僕の時間が24時間365日じゃなくなる。

――あらためて25歳の転機をふりかえると?

 いいバカですね(笑)。レギュラーもあるし。超売れっ子で、一番売れていた。そのタイミングでテレビをやめるのか、と……。そこは、やっぱりよかった。若手では間違いなく一番売れていた。売れてなかったら、もうちょっとズルズルいっていたかもしれないけど、冠番組いただいていたし、視聴率も一番とったし。それでこの結果か、と……。(笑)。

 ここにこのまますがるのか、大ゴケするかもしれないのにかけるのかって、ある程度バカじゃないとそっちにいけない。こざかしいことしていたら、いま38歳ですけど面白くない人生送っていただろうなと。

これからは、派手にコケたもん勝ち

――日本人はコケたり、失敗したりすることを怖がります。西野さんのオンラインサロンは会員数が1万3000人いますが、失敗したときこそ会員数が増えるそうですね。失敗しないのはバカ、との持論もお持ちと聞きますが。

 ほんとバカっすね。二つの意味でバカ。まず一つは、立ち上がり力が身につかない。失敗しないと。もう一つは、いまは失敗しているやつにポイントが入る時代で、SNSでも自虐ネタがうける。「こんな失敗しましたよ」が信用につながる。それが見えています。

 僕はオンラインサロンやっているけど、月額1000円でいま会員数が1万3000人。毎日データをみているけど、うまくいっているときには会員数が増えない。失敗したとき、ぐっと増える。つまり、人は物語に反応している。たとえば、マンガも主人公がうまくいってるマンガは来週読まない。こいつどうなるの?ハラハラして、そこに反応して、オンラインサロンでいえば月額1000円が発生している。ストーリーに人が反応しているんで、失敗しないとストーリーが生まれないから、失敗しないと応援する「余白」が生まれない。

 やっぱり、人は一人で絶対生きられない。応援してもらう余白をつくるか、バーッといっちゃうやつじゃないと、(伸びしろならぬ)”応援しろ”がない。派手にコケたもん勝ちですね(笑)。

 データ、出てりゃいいんですけどね。オンラインサロンは毎日それが出るんで。コケれば、バーッと伸びる。それで人がどれくらいついてきて、どれくらい離れたか、可視化できたら、挑戦する人が増えると思うんですけど。

――「失敗」でいうと、よく中高年世代は「失敗ができるのは若いうちだけ」とか言います。一方、若い世代を「バカ」にしているとまでは言いませんが、軽んじている人が少なくない印象があります。

 下のほうが優秀なんで。僕らなんかより。「最近の若いやつは」なんていう言葉が、エジプトかどっかの壁画に描かれているらしいですよ。

 人間は何千年も「最近の若いやつは」って言い続けてきた。その言い分が正しかったら、つまり、スケールダウンを繰り返してきたら、人間、絶滅してるんで。なんで絶滅してないかといえば、それはアップデートを繰り返している。下のほうが優秀だったから「種」としていまいるんだから。

 まず認めないといけないのは、下のほうが優秀。僕より20代の方が圧倒的に優秀なんで。そこを受け止めないと、生き残れない。たとえば下をつぶしにかかっちゃうと、60のおっさん、干されちゃうんで。60代の生き残りは下に教えてもらえないといけないんで。「最近の若いやつは」と言う人から死んでいきます。

――年をとるとなかなか変わることができません。これからの中高年はどうしたらいいでしょう?

 子分になっちゃえば、いいんじゃないんですか?

――西野さんが経営する東京・五反田のスナック「キャンディ」には若い世代が集まっているそうですね。そこでは、西野さんが下の世代の子分になっているとか。

 おごってもらったりするんすよ、子分になれば。めっちゃラッキーじゃないですか。僕も缶ビールとかおごってもらっているんです。みんなスナックに持ってきてくれる。

 (普段)上の世代は言うこと聞かないから、言うことを聞いてくれればその人に脳みそが集まる。おじいちゃん×AR、おじいちゃん×VR、おじいちゃん×オンラインサロンとか、(アイディアの)掛け算はあるから、「じゃあ、やってみるわ」というおじいちゃんには、脳みそが集まってくる。

 下の世代が上の世代に説教するのはわかるんですけど、上が下に説教っておこがましいですね。脳みそが下なんで、上の世代のほうが。堀江(貴文)さんとかもそうですよ。下から吸収しようとばっかりですね。

――今回出版された『バカとつき合うな』にはいろいろなバカが登場しています。読者の中にはハッと身につまされる思いをする人もいるでしょう。あらためておうかがいします。西野さんにとって許しがたいバカとはどんな人でしょう?

 善意を押しつけるとか、あれは嫌いっすね。知識ないのに、人の人生に口挟んでくる人、いるじゃないですか。国民の8割くらいそっちですね。それにつぶされる夢があるのがいやで。言ってしまえば「ドリームキラー」。それは少しでも減らしたい。明るい未来見たいんで。次の世代が出してくる「何それ?」っていうカードが見たい。

 そういうのって、おっさんがつぶすんですけど、そういうのはちょっとでも減らしたい。日本から面白いアイデアでてきたら面白いじゃないですか。

――では、利口な人とは?

 時代を読んで、飛び込んだほうがいい時代に入った。それを把握して飛び込む人。一番バカですけどね(笑)。そいつに全部集まっている。10年前20年前は知らないけど、少なくともいまはみんなの時間が、そいつに集中しているんですよ。