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新書ピックアップ(朝日新聞2019年6月1日掲載)

『キャッシュレス国家』 

 企業によるイノベーションに開放的な中国では、急速に先端技術を使った「新経済」のシステムが広がる。道端の屋台や投げ銭にもモバイル決済が使え、そこで蓄積される個人情報が信用スコアにかわる。巨大で多様な市場の変化を、北京の対外経済貿易大学で教える著者が報告。
★西村友作 文春新書・918円

『世界が変わる「視点」の見つけ方』

 ネットで激変したコミュニケーションを、「デザイン」の視点から構想する慶応大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の授業「未踏領域のデザイン戦略」を紹介。テーマを設定、「課題」「コンセプト」「ソリューション」の3段階を踏んで解決法を導き出す過程に迫る。
★佐藤可士和 集英社新書・842円

『人体 神秘の巨大ネットワーク 臓器たちは語り合う』

 新たな人体観を出したNHKスペシャルのシリーズ(全8回)をまとめた。体は臓器や細胞間で情報を伝えあうことで、生命や健康を維持。情報伝達を行う「メッセージ物質」に着目、人体の仕組みを追う。
★丸山優二・NHKスペシャル「人体」取材班著 NHK出版新書・972円

『他人の足を引っぱる男たち』

 年下上司への「若者潰し」、20代、30代に多い「おじさん潰し」、40代の「同期落とし」など、会社内で足の引っぱりあいが横行するのはなぜか。さまざまな学術研究や調査の成果を示しながら「会社員という病」に迫る。その処方箋(せん)も具体的に提示する。
★河合薫 日経プレミアシリーズ・918円

『12階から飛び降りて一度死んだ私が伝えたいこと』

 2016年から600人以上の悩み相談に乗った元男性のトランスジェンダーのモカ氏。無償の「貢献」になぜ励むのか。朝日新聞記者が密着取材し、経営者としての成功、躁鬱(そううつ)病の悪化、自殺未遂など波瀾(はらん)万丈の半生を紹介する。
★モカ・高野真吾著 光文社新書・994円