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畳の敷き方にも吉凶あり 「絵で見てわかる伝統建築の図鑑」

斉藤武行「絵で見てわかる伝統建築の図鑑」(秀和システム)より

 年末から年始にかけては、神社やお寺などの伝統建築を訪れる機会が増える時期。そこで、今回取り上げたいのが「絵で見てわかる伝統建築の図鑑」です。

 本書は、神社や城、茶室など日本の伝統的な建築物の構造やそれらが生まれた歴史的背景などをイラストや写真を交えて解説。建築物そのものだけでなく、そこに宿る文化も紹介しています。日本の伝統建築を生み出してきた職人たちの仕事や道具、伝統建築に用いられている技法や建物を彩るパーツなどのほか、地鎮祭や上棟式といった建築にまつわる儀式の意義や作法にも触れており、雑学的に楽しめる一冊です。

 たとえば、伝統建築にも使われ、いまでも身近な畳。その規格には、京都を中心に西日本で用いられてきた「京間」、関東や東北地方の家屋に見られる「田舎間」など種類があり、地方によって大きさが異なるんだとか。江戸時代からは、その敷き方にも「祝儀敷」「不祝儀敷」があり、吉凶に合わせた慣習があったのだそうです。

斉藤武行「絵で見てわかる伝統建築の図鑑」(秀和システム)より

 伝統建築を通して培われてきた日本文化を幅広く紹介しているので、ちょっと物足りなく感じる部分もありますが、日本の伝統建築を知るきっかけには十分。神社仏閣や日本家屋の細部が気になってくること請け合いです。