サイエンスがわかると料理が楽しくなる
休校や短縮授業を通して、子どもと一緒に家庭で過ごす時間が多くなりました。ここ数カ月であっという間にブームとなったのが「手作り」。こんなときだから、親子で一緒に料理をしたり、もの作りをしたりする時間を持つ家庭が増えています。そんな中、話題となったのが太田さちかさんのレシピ本『不思議なお菓子レシピ サイエンススイーツ』(マイルスタッフ)。結晶化を楽しむ宝石のお菓子や、無重力パフェ、質量の違いがわかる層ドリンクなど、理科実験のように料理を楽しむアイデアが満載です。ぱっと見て作りたくなるようなおしゃれな見た目がSNSで話題となり、発売後わずか3日で完売。重版がかかったというほどの人気レシピ本です。
「不定期でサイエンスカフェというワークショップをしていて、それを本としてまとめたものなんです。お菓子作りって、材料の裏側や性質から掘り下げてみると、おもしろいんですよ。“この素材はこういう働きがあるから、こういう作り方をする”など、科学のフィルターで見ると、レシピもものすごく腑に落ちるんです。そういうサイエンスポイントを、どのレシピにも入れました。一緒に作る親御さんも楽しいと思ってもらえるよう、見た目もおいしそうでかわいいものを心がけています」と太田さん。
この本でレシピを見てから毎日、口中でシュワシュワするラムネを作っている子もいるそうで、日に日にラムネの色が増え、本には載っていない探求をし始めているのだとか。太田さんも、外出がままならない今こそ、おうちの中で小さな発見を楽しんでほしいと語ってくれました。
親子で一緒に作ってみよう!
写真を見ているだけでもおいしそうですが、実際に本を見ながら、親子で作ってみたのが「レインボーポンチ」。カラフルな色のゼリーが涼し気な一品です。まずはかき氷シロップとゼラチンを混ぜてゼリー作り。色の三原色、赤・青・黄さえあれば、混ぜていろんな色を作れるそう。なるほど、早速赤と青を混ぜて紫を作ってみました。こういう実験、子どもは大好き。でもちょっと目を離すと、全部混ぜて黒になってしまうので要注意。
いろんな色のゼリーを作ったら、小さな型に流して、粒粒ゼリーを作ります。キラキラときれいなので、取り出すとき、まるで宝石を発掘しているような気分になります。
濃い砂糖溶液を作っておいて、このゼリーを一粒ずつ落としていくと……。ゆらゆらと浮いたり、ゆっくり沈んだり。おお!きれい! 子どもは大興奮です。
砂糖溶液と普通の水ではゼリーの沈み方が違うと書いてあったので、試しに水に落としてみると、あっという間にポトンと底に沈みました。砂糖を溶かしたことで水の密度が大きくなって、浮力が働いたことを実感。見た目は両方とも透明な液体にしか見えないので、子どもも驚いていました。
ちなみに、実験後は実食。この砂糖溶液はシロップと同じでかなり甘いので、大人は少なめにして、上から無糖炭酸水を注ぐと、さらにおいしくいただけます!
もうひとつ、「溶けないアイス」も作ってみました。よく手作りアイスというと、作ったそばから溶け出していくのですが、これは一時間たってもこの形のまま! その秘密は……本で確かめてみてくださいね。