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「カサうしろに振るやつ絶滅しろ! 絶滅してほしい!?迷惑生物図鑑」 人のふり見て我がふり直そう!

「カサうしろに振るやつ絶滅しろ! 絶滅してほしい!?迷惑生物図鑑」(小学館)より/©︎CHOCOLATE Inc.

 いろんなモノや生き物をキャラクター化した図鑑は数あれど、人の迷惑な行動や考え方をキャラ化したのが「カサうしろに振るやつ絶滅しろ! 絶滅してほしい!?迷惑生物図鑑」。企画作家の氏田雄介さんが「絶滅してほしい生物図鑑」と題してSNSに投稿したイラストが話題となり、書籍化された図鑑です。

 日常生活の中で見かける迷惑行為やどこか前時代的で理不尽な価値観を“絶滅危惧種”ならぬ“絶滅希望種”という架空の生き物に仕立てて49種を紹介。実在の古生物や動物と組み合わせたユニークなネーミングとイラストに、思わずニヤリとしてしまいます。

 個人的に心から絶滅を希望するのは、シュゴデカウルス。「日本人は〜」「男は/女は〜」というように、人種、国籍、性別、出身などの大きくて記号的な主語で決めつけてくる恐竜です。モデルにしたのは、パキケファロサウルスという白亜紀後期に生息していた草食恐竜。頭頂部の骨が盛り上がって分厚くなっているのが特徴だそうで、まさに頭でっかちなシュゴデカウルスにぴったり。こんな風にリアルな生き物たちの特徴が学べるのも、この図鑑のちょっといいところです。

「カサうしろに振るやつ絶滅しろ! 絶滅してほしい!?迷惑生物図鑑」(小学館)より/©︎CHOCOLATE Inc.

 本書の中には“いるいる”の共感を呼ぶ絶滅希望種だけでなく、自省の念が沸き起こるものも。筆者もシンゴムシやデンシャノハシビロコウになってしまうことがあるなと、ドキリとしてしまいました(どんな生き物か詳しくは本をご覧ください)。

 ダジャレ的なネーミングや絶滅希望種目線で語られる文章にくすりとしつつも、社会におけるマナーや共生について改めて考えさせられる一冊です。知らず知らずのうちに絶滅希望種にならないよう、ご注意を……。