数あるスポーツの中でも、もっとも日本人に親しまれている国民的スポーツと言えば、多くの人が野球を挙げるでしょう。明治期に日本に紹介されて以来、たくさんの名勝負、また名選手が生まれてきました。
「野球知識検定」は野球の歴史や記録、またエピソードやルールなどさまざまな角度から野球の知識を深め、野球に関わるすべての人の知識向上を目指す検定です。2010年に第1回が開催され、現在までにおよそ8000人の受検者を数えてきました。
「野球知識検定は、あった方がいいものというよりも、なくてはならないものだったと思っています」と語るのは、検定を運営する株式会社マスターズリーグの代表取締役・一木良文さん。「たとえば、小中学生に野球を指導する立場の人であっても、野球の歴史や細かいルールを把握しきれていないケースは少なくありません。日本の文化と言っても過言ではない野球を後世に継承するためには、正しい知識を定着させることが不可欠です。野球の未来を見据えて、この10年、検定の実施にあたってきました」
野球知識検定の特色のひとつには、受検するだけで元プロ野球選手と触れ合えることがあります。というのは、当日の検定官をプロ野球OBが担当し、また検定の終了後には彼らによるトークショーなどのイベントも開催されるためです。
特典も豪華です。前述の交流に加え、受検者全員に野球体育博物館の入館料が割り引きされ、成績優秀者にはプロ野球OBとの食事会参加、コラム執筆の権利などが与えられます。さらに、最高級である1級の合格者には、スポーツ報知の記者による取材や、スポーツ専門チャンネル「J SPORTS」メジャーリーグ中継にゲスト出演の権利が与えられます。
まさに信じられないほどの豪華特典ですが、では、1級の合格者はいままでどれくらいでしょうか?と尋ねたところ、なんと6人という回答が返ってきました。5級、6級は比較的多くの人に開かれた内容ですが、野球を極めるのは難しいですね。
「検定では、受検者の方に受検料以上のものを持ち帰ってもらえるように意識しています。そのせいか赤字の状態が続いているのですが(笑)、受検者の方の満足の声と野球を後世に伝えたい気持ちから、より広げていきたいと思っています」(一木さん)。
プロ野球の第一線で活躍してきた人に会ってみたい! そんな気持ちからでも、検定で得られるものは少なくなさそうですね。
例題にチャレンジ!
【問題1】
日本の野球には硬式球、準硬式球、軟式球がある。硬式球はコルクやゴムの芯に糸を巻きつけ、それを、牛革でおおい、縫い合わせて作る。その縫い目の数は?
1. 88
2. 98
3. 108
4. 118
【問題2】
野球中継でよく耳にする「フルカウント」とは、どういう状況?
1. 2死で3ボール、2ストライク
2. 打者に対して3ボール、2ストライク
3. 満塁で3ボール、2ストライク
4. 最後の攻撃で3ボール、2ストライク
【正解】タイトル問題=3、問題1=3、問題2=2