芥川賞作家の西村賢太(にしむら・けんた)さんが5日、東京都内の病院で死去した。54歳だった。
1967年東京生まれ。中学卒業後、日雇い仕事などで生計を立てながら小説を執筆、2007年に「暗渠(あんきょ)の宿」で野間文芸新人賞を受けた。11年に「苦役列車」で芥川賞。同作は翌年、森山未來さん主演で映画になった。ほかに「どうで死ぬ身の一踊り」「小銭をかぞえる」など。大正期の私小説作家、藤澤清造を敬愛し、代表作「根津権現裏」の復刊に尽力するなど光をあてた。
関係者によると、4日夜、タクシー乗車中に体調不良を訴えて意識を失い、病院に搬送されていたという。
朝日新聞デジタル2022年02月05日掲載