「アンアン」「ブルータス」などの雑誌で知られるマガジンハウスが先月、初の新書レーベル「マガジンハウス新書」を創刊した。第1弾は『捨てない生きかた』(五木寛之著、千円)、『新100のきほん 松浦弥太郎のベーシックノート』(松浦弥太郎著、同)で、以降は奇数月下旬に2冊程度ずつ刊行予定。雑誌不況のなかで、近年好調な書籍を充実させる狙いがある。
掲げるのは「雑誌的な発想でつくる新書」だ。編集者の武江浩企(ひろき)さんは「旬のテーマを分かりやすく読者に伝える新書は雑誌に近く、ノウハウを生かせる」と語る。執筆陣には同社が培ってきた人脈を活用。40~50代の新書読者層だけでなく若い世代にも届くラインアップを目指す。デザインにもこだわり、一般的な新書より文字を大きくして間隔にゆとりをもたせた。「新書市場を活性化させ、他社との相乗効果を期待したい」と武江さんは言う。(川村貴大)=朝日新聞2022年2月19日掲載