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作家・早乙女勝元さん死去 東京大空襲を経験、戦災誌で菊池寛賞

作家の早乙女勝元さん=山本和生撮影=2019年4月3日、山本和生撮影

 1945年3月の東京大空襲を経験し、戦争の悲惨さを訴え続けた作家の早乙女勝元(さおとめ・かつもと)さんが10日、老衰のため埼玉県内の病院で死去した。90歳だった。葬儀の日時は未定。親族が取材に明らかにした。

 東京出身。12歳で東京大空襲を経験。その後、働きながら文学を志した。1956年に小説「ハモニカ工場」で作家として独立。70年に発起人の一人として「東京空襲を記録する会」を結成した。同会は74年、市民の体験などを収録した「東京大空襲・戦災誌」で菊池寛賞を受賞した。

 2002年、民間からの募金を元にオープンした民営の「東京大空襲・戦災資料センター」(東京都江東区)の初代館長に就任。17年間にわたり館長を務めた。また、10年に結成された、太平洋戦争の空襲被害者らによる全国組織「全国空襲被害者連絡協議会」では共同代表を務めた。

 親族によると、今年1月から入院していたという。

朝日新聞デジタル2022年05月11日掲載