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「第15回MOE絵本屋さん大賞」鈴木のりたけさんの「大ピンチずかん」が第1位に! 初登場の作家さんも続々

15MOE絵本屋さん大賞 ベスト10

1位『大ピンチずかん』作:鈴木のりたけ(小学館)

2位『かみはこんなに くちゃくちゃだけど』作:ヨシタケシンスケ(白泉社)

3位『さかなくん』作:しおたにまみこ(偕成社)

4位『くみたて』作:田中達也(福音館書店)

5位『ねこいる!』作:たなかひかる(ポプラ社)

6位『ノラネコぐんだん ラーメンやさん』作:工藤ノリコ(白泉社)

7位『ぼく』文:谷川俊太郎 絵:合田里美(岩崎書店)

8位『ドーナツペンタくん』作:柴田ケイコ(白泉社)

9位『ひよこは にげます』作:五味太郎(福音館書店)

10位『バスが来ましたよ』文:由美村嬉々 絵:松本春野(アリス館)

※11位~30位は、雑誌「MOE 2023年2月号」にて発表

1位を初受賞した鈴木のりたけさん

 第1位に選ばれた『大ピンチずかん』(小学館)は、子どものいろんな失敗をおもしろおかしく描いた絵本。ピンチレベルなどのメーターもあり、つい笑ってしまいます。作者の鈴木のりたけさんは、絵本を作ったきっかけについて「自分の息子が、いろいろやらかしたところを見てアイデアが浮かびました。子どもが牛乳をこぼすと、大人は『なんでこぼすんだ』と思いますが、息子が牛乳パックを持ってコップについでいるのを見たら、子どもにとって、牛乳パックって重いんだな、大変なんだなと気づきました。こぼした途端に(やってしまったショックで)頭がフリーズして、そのままこぼしっぱなしにしていたり。ちょっとした失敗でも子どもたちにとっては大事件で、委縮してしまうことがありますよね。でもそんなのたいしたことないから、乗り越えていってねという応援を込めてこういう本を作りたいと思いました」と語ります。

鈴木のりたけさん

 実際に、鈴木さんの8歳の息子さんが、歯みがきをしながらトイレに入り、便器に歯ブラシを落としたことがあったそう。真っ先に叱られそうなものですが、「まさに大ピンチ!」と、そのときは家族みんなで、どういう方法で乗り切るか話し合いになったのだとか。「親だってピンチのことはたくさんあります。この絵本は、ぜひ親御さん含めて、みんなで読んでほしいです。親世代もこういうことってあるよねと共感できると思います。この絵本を真ん中に、家族の会話のきっかけとしても機能してくれたらいいなと思っています」とコメントしました。

>【えほん新定番】絵本「しごとば」 鈴木のりたけさんのインタビューはこちら

特別賞には斬新な切り口の絵本がラインナップ

 また、今年は「新人賞」の第1位に、田中達也さんの『くみたて』(福音館書店)がランクイン。「パパママ賞」にかわって新設された「ファーストブック賞」第1位には、ひらぎみつえさんの『ころりん・ぽい!』(ほるぷ出版)が選ばれました。『くみたて』は、洗濯ばさみやメガネといった身近なものを、何かに見たててミニチュアの世界を作りあげた写真絵本。『ころりん・ぽい!』は、絵本自体を動かすことで、組み込んであるわっかを転がすしかけ絵本。どちらもいままでにない新しい視点で、注目を集めました。

テープカッターが見立ての力でさまざまなものに変身。『くみたて』(福音館書店)より

 受賞作品は、書店の店頭で特別展開されることが多いです。今年の話題作や、大人が欲しくなるような美しい絵本なども網羅しているので、手に取ってみてはいかがでしょうか。

>絵本「くみたて」 田中達也さんのインタビューはこちら

「第15回MOE絵本屋さん大賞2022」表彰式