貼り絵で表現されたおばけが登場する絵本「ねないこ だれだ」などで知られる、絵本作家のせなけいこ(本名黒田恵子〈くろだ・けいこ〉)さんが23日夜、老衰のため死去した。92歳だった。葬儀は親族で営んだ。喪主は長女薫(かおる)さん。後日、お別れの会を開く予定だという。
1931年、東京生まれ。童画家の武井武雄に師事して絵を学び、69年に「ねないこ だれだ」を含む「いやだいやだの絵本」(4冊シリーズ)でデビューした。
トレードマークともいえるおばけをはじめ、どこかユーモラスな妖怪や、子どもたちなどが、貼り絵特有の温かみのある作風で表現され、世代を超えて多くの人に愛された。福音館書店によると、「ねないこ だれだ」はこれまでに351万5千部が発行されるロングセラーとなった。
「あーんあんの絵本」シリーズ、「めがねうさぎ」シリーズなど、多数の作品がある。70年にはサンケイ児童出版文化賞を受賞した。
朝日新聞デジタル2024年10月28日掲載