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第1回伝統文化継承セミナーを開催 次世代の伝承者育成のために何が必要なのか探る

八王子車人形の体験ワークショップも行われた「第1回伝統文化継承セミナー」=9月5日、東京都港区

 獅子舞や地芝居など全国各地に伝わる郷土芸能の関係者や愛好家が集まり、その未来を考える「第1回伝統文化継承セミナー」が9月、東京都港区で開かれた。各地で郷土芸能の存続が危ぶまれるなか、次世代の伝承者を育成するために何が必要なのかを互いに語り、学ぼうと開催された。

 全国の無形民俗文化財保存団体を対象にした調査などによると、郷土芸能に関しては現在、担い手の減少と高齢化が最も深刻な問題となっている。

 セミナーでは、全日本郷土芸能協会の星野紘理事長が「郷土芸能の継承と地域活性化」をテーマに基調講演をした。伝統芸能の持続的継承のための対応策として、開催日の土日や祝日への移行、担い手の性別を問わない、地域外の小中学生の参加を促す――などが実施されていると指摘。宮崎県椎葉村の栂尾集落では、人口が激減したにもかかわらず、神楽の舞い手は増加したことを伝えた。増えた舞い手のほとんどは自動車で1~2時間の同県日向市に移住した人たちだったという。

 続いて東京花祭りの会の広木穣さんが、愛知県東栄町の御園地区に伝わる「花祭り」を東京都東久留米市で継承した試みを語った。

 事例発表とパネルディスカッションには、八王子車人形(東京)の家元・西川古柳さん、小鹿野歌舞伎保存会(埼玉)の山本正実さん、宇原獅子舞保存会(兵庫)の井口浩一さん、東京音大教授の福田裕美さんらが参加。若手人材確保に向け、「部活動や仕事などで伝統芸能から一時離れても、気軽に戻ってこられる空間をつくる」「若手や子どもたちだけで公演する機会をつくる」といった実践例が紹介された。

 宇原獅子舞保存会では、SNSや動画での情報発信に力を入れる。10年前には平均年齢60歳で構成員10人程度だったのが、2026年現在、平均年齢35歳で構成員30人以上になったという。

 セミナーを主催した全日本郷土芸能協会の小岩秀太郎常務理事は「参加者が悩みを共有し、解決の糸口を探るための、つながりの場を作ることができた」と話す。来年度以降、第2回の実施を計画中だ。(編集委員・宮代栄一)=朝日新聞2026年10月7日掲載