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30年以上撮り続けている海景

アートの起源 著者:杉本 博司 出版社:新潮社 ジャンル:芸術・アート

価格:2808円
ISBN: 9784104781034
発売⽇:
サイズ: 21cm/221p

アートが今できることは、思い出すことかもしれない、人が人となったころの記憶を−。現代美術作家・杉本博司による懐古的美術評論集。多数の作品図版、中沢新一との対談も収録。【「…

評者:朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2012年03月25日

アートの起源 [著]杉本博司

 ニューヨークに暮らす現代美術作家である著者の名を冠し、香川県丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で2010年11月から翌年の同月までほぼ1年開催された展覧会の本。収録写真は展示品であり、言葉はそれらを語るが、「図録でもなく、評論集でもない、詩集でもなく、独白でもない、なにか」だという。「光学硝子(ガラス)五輪塔」の章では、釈尊の骨をまつる五重塔=舎利塔は宇宙をも表現し、信仰心を純粋に表そうとする「宗教的野心が萌(も)えいでた」形と解き明かす。杉本の作った塔は宇宙を構成する五大のうち、水を示す球体が核をなす。球には30年以上撮り続けている海景が封じられている。帰依する対象を失った「私」の意識の源。
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 新潮社・2730円