「コレデオシマイ」とは、勝海舟の死に際の言葉だとか。文豪、幸田露伴は娘の文に向かって「じゃあ、おれはもう死んじゃうよ」。そして、西南戦争で被弾した西郷隆盛は「もう、こん辺(あたり)でよかろ」と、自ら終わりのときを決めます。偉業を成し遂げ、人生を生ききった人たちの最期の言葉は、なんとあっさりと潔いことでしょう。
本書は、近世以降の偉人、傑物が、死の間際に残した言葉や辞世の句を紹介したもの。戦国時代の武将から幕末・明治の偉人、文人墨客まで20人の生き様と最期、時代の空気までを生き生きと伝えています。
家族や友人との関係も丹念に描かれており、長い闘病の末に息絶えた正岡子規を抱いて、母が発した言葉には胸を突かれます。
定価1389円+税 飛鳥新社 03・3263・7770