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BLマスターたちが指南 「先生と生徒、禁断の恋」

それぞれの立場に揺れる姿に胸が締めつけられる(井上將利)

 “先生×生徒”。連載2回目にして早くも危険な匂い漂うテーマが……。様々な物語において禁断の恋の代表格、且つ、ド定番とも言えるこのテーマですが、それはBLでも例外ではありません!
 数ある作品の中から今回ご紹介するのは、里つばめさんの『Evergreen Days』(東京漫画社)。里さんの初コミックスである本作は、それ以降多くのヒットを生み出している作者の魅力を存分に感じられます。セリフの一つ一つに命を吹き込むような丁寧な心理描写を是非ご堪能ください!

 高校生活に退屈さを感じ授業をサボっていた沢本と、化学教師の高坂先生が出会う所から物語は始まります。どこか気怠そうでだらしない高坂先生に親近感を感じた沢本ですが、次第に自分の中に別の感情が芽生えている事に気づいて……。

©里つばめ/東京漫画社
©里つばめ/東京漫画社

 「好きな人はいるのかな?」「どんな人がタイプかな?」、気になりだしたら止まらない!さらに嫉妬や羞恥心も湧いてきて、頭の中はグッチャグチャ。そんな初めての感情に翻弄されつつも、“先生が好き”という答えにたどり着く沢本。そのピュアでまっすぐな恋の姿勢は、BL読者でなくともきっと共感を得られるはず。

 一方の高坂先生はやんちゃな生徒達の面倒を見るお兄さん的存在。そんな先生はあくまでも大人の対応。“教師と生徒”としての距離で沢本と接するけれど、優しさから出た先生の言葉はかえって沢本を苦しめてしまう……。(ちなみに先生はメガネがとってもお似合い。メガネフェチの方は絶対見逃してはいけませんよっ!)
 生徒と教師、子どもと大人、それぞれの立場に揺れる彼らの優しさとか弱さ。その葛藤やもどかしさが皆さんの胸を締めつけることでしょう。

 「読み終えたくない!」「もっとこの二人を見ていたい!」。物語が進むにつれ、そんな気持ちが湧いてくる不思議な作品だと思います。どこか懐かしく、鮮やかな青春模様を体験してみてはいかがでしょうか?

オジサン好きは要チェック!さわやか&ほっこりストーリー(キヅイタラ・フダンシー)

 “しあわせ”って何色なんでしょうか。僕は向日葵色かな~、なんて考えながら記事を書いています。

 さて、今回“先生×生徒”というテーマでご紹介するのは、峰島なわこさんの『しあわせは何色ですか?』(リブレ)

 舞台は美大、大学院生の愁一と准教授の梶先生の物語。醸し出される雰囲気がなんだかオシャレで、大学時代は研究室に引きこもっていた僕には眩しい学生生活です。
 学生と准教授、ひょんなことから同居をすることになった二人。周囲には秘密な関係ですが、ワンコ系の愁一からは「好き」が割とダダ漏れで面白い(笑)。そんな愁一のアプローチを梶先生はのらりくらりと受け流しながら、ゆるゆると進む二人の関係。でも、あることがきっかけで進展が加速していきます。

©峰島なわこ/libre 2013
©峰島なわこ/libre 2013


 「梶先生がいなくなってしまう!」と勘違いしたときの愁一の表情に、梶先生も思わずドキッ。僕も思わずドキッ(笑)。グッときました……。
 梶先生は先生で、愁一に少しずつほだされていって、最後にはこっちまで赤面しちゃいそうな姿を見せてくれます。……オジサンでかわいいのってズルい!(僕みたいなオジサン好きにはたまりませんよ!笑)

 コメディタッチなシーンではちょっとデフォルメしたキャラになるんですが、感情をぶつける場面ではハッとする表情で描かれていて、描写がより際立って感情移入がしやすくなっているのもストーリーに惹きこまれる要素のひとつだと思います。

 読み終わった後、さわやか&ほっこりする作品です。愁一も梶先生も、それぞれが等身大で迷ったり、頑張ったりしながら築いていく関係。突拍子のないことが起きるわけではなく、いい意味で現実味のあるストーリーがなんだか心に沁みました。
 愁一のぶつける、若いからこそのまっすぐな気持ちに、「はぁ~、なんかいいよな~」と思ってしまう三十路腐男子なのでした。

 二人の“しあわせ”は何色だったんでしょうか。みなさんも読後に思いを馳せてみてください♪

超絶美形の教師と威嚇する猫のような生徒。学校の壁になって眺めていたい……!(貴腐人)

 現在、人気女優主演でTVドラマでも放映されている「先生と生徒の禁断の恋」―――というテーマ。このテーマでオススメしたいのが、ひなこさんの『先生なんか嫌いです。』(大洋図書)

 高校生の生田碧は、好きな女子生徒に告白しようとして緊張しすぎて余計な事を言って相手を怒らせてしまう。そんな情けない姿を社会科教諭の志津に見られたうえに告白を邪魔され、さらに相手の女子高生が実は志津のことが好きだと知り、失恋してしまいます。
 その後、志津の後押しもあって碧は改めて告白し直し、きちんと振られたことで吹っ切れます。碧はこれまで志津に生意気な口をきいてきたことを反省して謝りますが、志津は「反省の自覚があるなら身体で示せ」と、“ワクワクする”ような物言いで専用の雑用係になることを言い渡します。

「先生なんて嫌いです。」©ひなこ/大洋図書
「先生なんて嫌いです。」©ひなこ/大洋図書

 先生と生徒なのでお互いに顔は知っていても授業以外の接点が無かった二人が、この件をきっかけに急接近! すべてにおいて突っかかってくる碧と、そんな碧が面白くてついついからかって、怒らせてしまう志津。
澄まし~た超絶美形の志津が、逆毛を立てて威嚇する猫のような碧を構う様がツボでツボで。
 ワタクシ、読みながら思わず「どえりゃ、イカンがね!」と、お国言葉で感想が出てしまいました。
 そんな構われ方をする碧は、悶々と悩みまくるし、ちょっぴり奥手だし……。ハラハラドキドキしながらも、ああ~~~、きゅんきゅんしちゃう。その姿を、学校の壁になって日々眺めていたい……! 腐女子あるあるです。

 ほぼ碧の視点で話が進むため、碧の気持ちは手に取るようにわかるのですが、志津の気持ちの変化がわかりにくいのが、少しもどかしいところ。なんですが! 本気になったら一直線。「ええええええ~~っっ!? 碧のためにそこまでしちゃう?」という行動を取っちゃうところもまたまたツボります。

 二人の関係を碧に選ばせたけど、絶対に別れる気なんてなかったでしょ~~~!
 一時的に別れたとしても日々見守り続け、時が来たら再び碧を手に入れたでしょ~~~!
 これだから大人の余裕で散々遊んできた男が本気になるとコワイわ~~!
 はい。心の声、爆発です。

 大人の余裕で生きてきた志津が、最後の最後で碧に振り回されることになりますが、本気になればこそ情けない姿を見せてしまうものですね。大人になった碧はさらに魅力的になるであろうと想像できますから、志津は一生振り回されることは決定ですね。
 
お幸せに!