「失敗は成功のもと」とはいえ、失敗するとやっぱり落ち込むもの。そんな時にぜひ手にしてもらいたいのが、「失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!」です。
ライト兄弟に始まり、ココ・シャネル、スティーブ・ジョブズ、孔子、ピカソなど、さまざまな偉人たちの失敗談を取り上げ、彼らが失敗をどのように乗り越えていったのかをユーモアいっぱいのイラストとともに紹介しています。
たとえば、夏目漱石は「引きこもり」の失敗談。小説家になる前、英語の研究をするために行った英国留学中に心を病み、部屋から一歩も出なくなってしまった漱石。けれども、帰国後に小説を書くという新しいことにチャレンジしたことで、小説家としての道が拓け、『吾輩は猫である』など数々の名作が世に残ることとなりました。心のモヤモヤが大きくなりすぎたら、新しいことを始めて発散し、そのモヤモヤを形にする方法を模索する。単に偉人の失敗談を紹介するのではなく、彼らの失敗を例にそんなアドバイスまでもらえる内容になっています。
ロシアの大文豪、ドストエフスキーはギャンブルにハマりすぎ、借金をしてでもギャンブルをしていたほど。ギャンブルを通して人間の醜い部分を見ることができたからこそ、ドストエフスキーは人間を深く描くことができたのかもしれないと、失敗をやさしく包み込みます。いろいろな失敗を許してくれるやさしさに満ちた一冊でもあります。
子ども向けにわかりやすく読みやすい文章で書かれていますが、中身は大人も勇気をもらえる深いもの。偉人たちの失敗談の合間には、子どもたちが陥りがちな身近な失敗とその分析と対策も収録されているので、親子で読んでみるのもおすすめです。