「画期的」ならぬ「画奇的」な切り口をうたうのが、『怪異を読む・書く』(木越治・勝又基編、国書刊行会・6264円)。泉鏡花が描いた大震災と怪異、日本文学で最も怖いという「吉備津(きびつ)の釜」論など、怪異小説や怪異表現について近世・近代文学研究者たちによる論考を集めた。編者の木越は今年逝去。勝又はあとがきで、「せめて霊前に捧げよう。先生の亡霊がふらりと現れて、論文の合評会がはじまるかもしれないから」。=朝日新聞2018年12月15日掲載
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