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「江戸の園芸熱」浮世絵で見る たばこと塩の博物館で企画展

両国で見せ物になった「菊の細工物」(歌川豊国、1818年)。「暫(しばらく)」を細工に仕立てている

 江戸時代の人々は、世界有数の園芸好きだった――。東京・本所吾妻橋のたばこと塩の博物館で開催されている特別展「江戸の園芸熱 浮世絵に見る庶民の草花愛」は、江戸の町に、多彩な園芸文化が花開いていたことを教えてくれる。

 副題通り、前後期あわせて約200点の展示品の大半が浮世絵だ。

 歌川国房の「植木売りと役者」、歌川豊国の「菊の細工物」などからは当時、縁日で多様な草花が売られ、すでに菊人形が存在していたこと、役者衆の間で園芸が流行していたことなどがわかる。

 会場にはこのほか、様々な図譜や園芸書、江戸後期~明治時代の植木鉢などがずらり。やや特殊なテーマだけに、ふだん見慣れない資料も多く、ちょっと会場を巡っただけでも、新しい出会いに心が躍った。3月10日まで、2月11日を除く月曜と2月12日休み。(編集委員・宮代栄一)=朝日新聞2019年2月6日掲載