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お酒と江戸の暮らしって? 「お酒と遺跡」展、都内で徳利など出土品展示

東京・伝馬町牢屋敷跡(第2次)遺跡出土の徳利

 古来、人はお酒とどうつきあってきたのか――。近世都市・江戸の出土資料からこのテーマを考える企画展「お酒と遺跡」が東京都中央区明石町の区立郷土天文館(タイムドーム明石)で開催中だ。
 展示は、区内の約20遺跡から出土した約160点。
 大半を占めるのは、酒を入れたと考えられる徳利(とっくり)や盃(さかずき)類だ。これらは多くの近世遺跡から出土しており、江戸の人々にとって、お酒が切っても切れない存在だったことをうかがわせる。
 中でも、伝馬町牢屋敷跡(第2次)遺跡出土の大小約60本の徳利=写真=は圧巻。実際は100本以上が出土したというが、牢屋敷に、なぜこれほどの徳利が――。ちなみに、江戸時代には牢屋敷の罪人もお金次第で飲酒ができたという。
 廃棄されるものがある一方、徳利はリサイクルもされていたようで、灰落としやコンロ、花生けなどに転用されたものも出土する。
 各地で作られた多彩な徳利が並ぶ展示も見応え十分。「マイベスト徳利」を投票するコーナーも。展示の規模は小ぶりだが、独自のテーマ設定と切り口で、ひと味違う展覧会に仕上げたのはさすが。3月24日まで、月曜休み。入場無料。(編集委員・宮代栄一)=朝日新聞2019年2月20日掲載