今、日本では人口減少を背景に行き場をなくした不動産が急増している。すでに住宅総数は総世帯数を越え、国の2013年調査で14%だった空き家率は、33年には30%になるとの推計もある。
特に都市部で加速するのがマンションの老朽化問題。築40年超は73万戸あり、27年には2・5倍の185万戸に達するとの見方もある。が、解体して跡地を売却するには、原則として所有者全員の合意が必要なため、たった一人の反対で解体できず住民が危険に晒(さら)される恐れもある。
一方、地方ではリゾートマンションがバブル崩壊後、投げ売り状態で10万円でも買い手がつきにくい。室内は荒れ放題のため、裁判所の判断で強制的に競売にかけられるが、管理費などの滞納分を含めると実質マイナス価格だ。
また最近はサブリース問題が深刻化している。業者から節税対策として賃貸アパート建設を勧められ、巨額の借金をして建てた後で自己破産に追い込まれる地主もいる。
様々な「負動産」問題の根っこにあるのは、「新築主義」とでも言うべき、ゆがんだ住宅・土地政策だ。これを改めると共に、今後はフランスなど諸外国を参考に、日本も行政介入について議論を深める必要があると本書は説く。=朝日新聞2019年3月23日掲載、26日更新
編集部一押し!
-
インタビュー 槇村さとるさん「ダンシング・ゼネレーション senior」インタビュー 素敵な人じゃなくて、生身の人を描く「少女」マンガ 横井周子
-
-
インタビュー 伊与原新さん「コズミック・ガール 宙わたる教室」インタビュー 定時制高校の科学部がロケットを飛ばすまで 阿部花恵
-
-
本好きのための職業図鑑 背筋さんが語る職業としてのホラー作家 「誰かの死」扱っている事実 忘れず 朝宮運河
-
本屋は生きている たびたび書店(兵庫) 出版社勤務、教員、介護職員を経た店主がつくる、人が自然に滞在する空間 朴順梨
-
小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。 新潮新人賞・有賀未来さん 冷笑しない18歳「戦争もアイデンティティも、小説はわからなさを受け止める手段」 清繭子
-
トピック 未開の研究分野に挑戦し続けた日本語学者・山口仲美さん 著作集別巻『日本語の問題』刊行記念インタビュー PR by 風間書房
-
トピック 【PR 光文社・創英社・みすず書房・ミネルヴァ書房】プレゼント 朝日新聞1面広告の本、好書好日メルマガ読者計20名様に
-
コラム 「海をわたる言葉 翻訳家ふたりの往復書簡」中江有里さん書評 出逢いの不思議が生んだもう一つの〝家族〟 PR by 集英社
-
トピック 【プレゼント】柄谷行人さん最新作「私の謎 柄谷行人回想録」好書好日メルマガ読者10名様に PR by 講談社
-
インタビュー 平石さなぎさん「ギアをあげて、風を鳴らして」インタビュー 描いてわかった「シスターフッド小説」の魅力 PR by 集英社
-
インタビュー 江國香織さん「外の世界の話を聞かせて」インタビュー 頭の風通し良く、気持ちさっぱり自由になって PR by 集英社
-
インタビュー 【サイン入り本プレゼント】一木けいさん「嵐の中で踊れ」インタビュー 避難所で起きた再生の群像劇 PR by NHK出版