記録的なヒット作となった映画「君の名は。」を始めとするアニメ作品を、哲学や思想、文学、歴史などの知識を駆使して分析した「平成最後のアニメ論」(ポプラ新書)を刊行。2010年代のアニメを論じた「教養としての10年代アニメ」シリーズ三部作を完結させた。
文芸評論家として活動する一方で、近畿大学で「映像・芸術論」などを講義する。「週20本以上のアニメ視聴」をノルマとして学生に課したシラバスが話題となり、その講義の書籍化が決まった。「1年生の前期と2年生の前後期の授業でアニメを取り上げたので、書籍化の際も当初から三部作を構想しました」
少年時代はアニメにあまり興味がなかった。評論活動を始めて、「新世紀エヴァンゲリオン」を見たのをきっかけに、幅広い知識を使ってアニメを読み解く楽しさを覚えた。「アニメは膨大な情報が詰まった『情報娯楽』。分析することで知識が広がり、より深く楽しめる」
2020年代のアニメについては、「巨大市場の中国との合作が鍵を握る」とみて、中国の動きに注目している。(編集委員・今井邦彦)=朝日新聞2019年3月13日掲載
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