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豊田市美術館「クリムト展」を楽しむ5冊 世紀末ウイーンの芸術にひたる

グスタフ・クリムト《女の三世代》 Roma, Galleria Nazionale d'Arte Moderna e Contemporanea, Su concessione del Ministero per I Beni e le Attività Culturali
  1. 「クリムトへの招待」(朝日新聞出版・編 朝日新聞出版)
  2. 「グスタフ・クリムトの世界 女たちの黄金迷宮」(海野弘 パイインターナショナル)
  3. 「運命の絵 中野京子と読み解く もう逃れられない」(中野京子 文芸春秋)
  4. 「マンガでわかる『西洋絵画』の見かた 美術展がもっと愉しくなる!」(監修・池上英洋、絵・まつおかたかこ 誠文堂新光社)
  5. 「詩ふたつ 花を持って、会いにゆく 人生は森のなかの一日」(長田弘 クレヨンハウス)

グスタフ・クリムト《ユディトI》 © Belvedere, Vienna, Photo: Johannes Stoll
グスタフ・クリムト《ユディトI》 © Belvedere, Vienna, Photo: Johannes Stoll

(1)「クリムトへの招待」
 19年4月に発売されたばかりのクリムト解説本最新刊。クリムトという画家の生涯や、クリムト作品の鑑賞のポイントを専門用語なしで解説しています。クリムトの作品に初めて触れる方におすすめの入門書です。

(2)「グスタフ・クリムトの世界」
 クリムトの作品約300点を収録した画集ですが、特筆すべきは書籍自体の美しさ。アート本を多数発行している出版社、パイインターナショナルが手掛けただけあって、装丁や各ページの印刷の美しさは、他のクリムト本と一線を画しています。やや高額ですが、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

(3)「運命の絵 中野京子と読み解く」
「怖い絵」等を手掛ける西洋文化史家中野京子氏による、有名絵画の背景にあるストーリーを丁寧に解説する一冊。クリムト作品では「パラス・アテナ」の解説が掲載されています。名画に秘められたストーリーを知ることで、絵画鑑賞がさらに楽しくなること間違いなしです。

(4)「マンガでわかる『西洋絵画』の見かた」
 クリムトが気になるけれど、そもそも美術展は敷居が高くて行きずらくて、といった方におすすめしたいのが本書。かわいいイラストのマンガによって美術の歴史や作品の見方を時代に沿って解説しています。美術史全体を知ることで、その中でクリムトの作風がどういった立ち位置なのかを知るとさらに楽しめると思います。

(5)「詩ふたつ 花を持って、会いにゆく」
本書は、クリムトの作品集ではなく、長田弘氏による詩にクリムトの風景画を合わせた詩画集です。金箔を使った人物画のイメージが強いクリムトですが、木々や花々を描いた風景画も多数描いています。大切な人の死をテーマにした詩が、クリムトによる色鮮やかな花々や深い森を描いた風景画とマッチしていて、新しいクリムト絵画の魅力に触れられる気がします。