――『あたしンち』は松田さんが生まれる前に連載が始まった長編作品です。インスタ世代の10代の若い女の子が、昭和感いっぱいのほのぼの日常マンガが好き、というのがちょっと新鮮な組み合わせに思いました。
お父さんや5歳年上のお姉ちゃんがけっこうマンガが好きで、2人が買ったマンガを私も読んだりしていました。『あたしンち』も家にあって、何冊か読みました。
お母さんとか、みかんちゃんとか、出てくる人の表情が一気に変わりますよね。それが面白くて、絵だけでも楽しめるなと思いました。キャラクターで一番好きなのは、私と同じ高校生のみかんちゃんかな。
――お母さんのキャラクターは強烈ですよね。豪快で予測不能な行動に、みかんちゃんが振りまわされることもしばしば。ご自身のお母さんと似ているところはありますか?
うちのお母さんも、たまに豪快なところがあるから、ちょっと似ているかも? すごく落ち着いているわけでもないし、心配性なところとか、意外と天然っぽい感じもあったりします。『あたしンち』に出てくるエピソードでも、こういうところ「あるある」だなあって思うことがあります。
――そうなんですか。例えば松田選手のお母さんはどんな行動を?
日常的にいろいろあって思い出せないんですが、よく「私の携帯どこ?」って言っています。すぐ近くにあるのに。あと、私が後でやろうとしていることを「すぐやりなさい」って言われると、うるさいなあって思っちゃいます。
――確かに親との子の会話っていつの時代も変わらないものですよね。松田選手の家族は仲良しですか?
仲はいいと思います。お父さんともお母さんともよく話すし。お姉ちゃんとは、私が海外へ遠征に出たりして会える時間が少なくなってしまったので、今は一緒に遊んだりは、していないですね。たまに家族みんなでご飯を食べに行く、くらいです。
何でも話せるのはお父さんよりもお母さんですが、競技のことはお父さんにも相談します。
――ご両親もサーフィンをやっていて、それがきっかけで松田選手も始めたんですよね。どんなことを相談するんでしょうか。
うまくなるためにはどうすればいいか、ということを3人で考えたりしますね。私の試合のビデオを見て、「こうしたほうがいい」とアドバイスをくれることもあります。両親からのアドバイスで、うまくいくようになったこともあります。
――それはとても心強いですね。マンガの話に戻りますが、他にどんなものを読みますか。
『クレヨンしんちゃん』も自分で買って読みます。しんちゃんのお母さんも強烈ですけど、私が好きなのは、しんちゃん。適当だけど、意外と何でもできて、うまいこと進んでいくところとかがいいキャラクターだなあって。
マンガは移動時間に読むことが多いです。住んでいる茅ケ崎から千葉の海岸へ遠征するときは、車で2時間くらい、かかりますが、小さいときは携帯電話を持っていなかったので、することがなくて。それで家から『あたしンち』を持って行ったり、途中のコンビニで『クレヨンしんちゃん』を買ったりして、車の中で読んでいました。
ほのぼの系マンガが好きですが、ミステリーも好きで、『名探偵コナン』もお気に入り。映画もミステリー系の作品をよく見ます。
――松田選手がマンガを読みたくなるのはどんな時ですか。
私にとってマンガは、息抜きやリラックスしたいときに読むもの。大会中はずっと試合のことを考えている状態なので、家に帰ってきて寝っ転がったりしたときに、手に取りたくなります。うまくいかなかったことは反省するけれど、またすぐ次に試合があるので、そっちに向けて頑張ろうと気持ちを切り替える。それには一旦休憩する時間が必要です。スマホをいじったりするよりも、紙のマンガを読んでいるほうが気持ちが落ち着くんです。