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「不登校・ひきこもりの9割は治せる」など、今週注目の新書5選(朝日新聞2019年9月7日掲載)

『ルポ 教育困難校』

 繰り上がりが出来ない、アルファベットが正しく書けないなどの基礎学力の不足や貧困、家庭環境など、問題を抱える生徒たち。彼らの生活指導に追われ多忙な教師。教育が困難な高校の実態を、元公立高校教諭の著者が体験を交えて描き、教育困難校の存在意義と改革の方向性を示す。
★朝比奈なを著 朝日新書・853円

『不登校・ひきこもりの9割は治せる』

 小学生時代に不登校を体験した著者が、30年以上、不登校やひきこもりの支援活動をしてきた中からノウハウを開陳。「規則正しい生活をする」「自律して自信をつける」「社会貢献をする」の3ステップを順に踏むことが解決策といい、具体的な実践を紹介。
★杉浦孝宣著 光文社新書・864円

『海外で研究者になる』

 東大で教えていた著者は、イギリスの大学教員に転職した。若くして研究室を運営できる、夏休みが長いなどの海外の大学への就職で期待できる利点を挙げる。海外で研究者になるための応募書類や面接、準備の仕方を紹介。海外で働く17人の日本人研究者に聞いた就活事情も掲載する。
★増田直紀著 中公新書・950円

『長寿時代の医療・ケア』

 自分らしい最期をどう迎えるか。終末期医療について当事者の意思決定を巡る問題に焦点をあてた。口から食べられなくなった時に行う経鼻経管栄養法や胃ろう栄養法など人工的に水分と栄養を補給する方法の導入や、尊厳死・安楽死問題など、患者、家族、医療者の課題を探る。
★会田薫子著 ちくま新書・972円

『おいしいとはどういうことか』

 京都の日本料理店主の著者が、素材との向き合い方など料理哲学を紹介。自然を「おいしい」と思うのは、私たちの体の根っこに自然との関わり合いの記憶が生きているからだと考える。料理にかける「手間」には、祖先が工夫し、伝えてきた知恵や技術が詰まっている。
★中東久雄著 幻冬舎新書・842円=朝日新聞2019年9月7日掲載