第8回山本周五郎賞を受賞し、90万部を超える精神科医・帚木蓬生さんの小説「閉鎖病棟」(新潮文庫)が映画化され、全国で公開中です。
10月19日には映画化を記念し、元厚生労働事務次官の村木厚子さん、原作者の帚木蓬生さん、監督の平山秀幸さんが登壇した座談会が開催されました。
村木さんは、映画に登場する由紀のようなDVや性被害に悩む若い女性を支援する“若草プロジェクト”の代表呼びかけ人でもあり、この作品のテーマに共感し、“生きづらさを抱える人たち”に向けて、「私たちは何を感じ、どのような行動をおこせば良いのか」のヒントを語りました。
原作は1995年に発売され、累計90万部を超える小説です。弱い立場にある者やハンディを背負った者に対して温かい眼差しを注ぐ帚木作品は、自分の内にある思いを静かに表現しており、生きづらさを抱える人々に贈る優しさが、現代社会に一石を投じていると、評されています。
映画では、死刑執行が失敗し生きながらえた秀丸(笑福亭鶴瓶)、幻聴に悩まされるチュウさん(綾野剛)、DVが原因で入院する由紀(小松菜奈)3人が、家族や世間から遠ざけられながらも心を通いあわせ、自らの人生を懸命に生きようとします。