「夜景観光士検定」は、2019年12月に第1回目の試験が開催されました。……と言うと出来立てほやほやの検定に感じられるものの、もともとは2008年に発足した「夜景鑑賞士検定」がその前身でした。関連検定として2014年に発足した「イルミネーション検定」と統合し、新たに「夜景観光士検定」としてスタートを切ることとなったのです。
この背景には何があったのか。検定を運営する一般社団法人夜景観光コンベンション・ビューローの代表理事で、夜景評論家の丸々もとおさん(54)は、「夜景の捉えられ方が、ここ10年ほどで変化したことが大きい」と語ります。夜景鑑賞士検定が始まった頃には、夜景は眺める対象としての役割がほとんどだったものの、近年、ナイトツーリズムをはじめ、夜間の観光コンテンツとしての役割が強まっていきました。それに伴い、夜景を楽しむのみならず、観光としての夜景の魅力を伝えられる人材の必要性も高まります。そうした背景から、より主体的に夜景に関わる「夜景観光士検定」は生まれたのでした。
第1回の検定の受験層としては、学生が3分の1を数え、また観光業に携わる層以外の受験者も少なくはないといいます。考えてみると、夜はすべての人にとって縁のある存在で、だからこそ関心が強まっていると言えそうです。
「夜には、その人の性格の映し鏡のような側面もある」と丸々さんは語ります。「夜は太陽の出ている時間帯と比べ、より感情の針が動きやすく、より饒舌になって長電話をしたり、逆により寡黙になったりするなど、個々人の性格がより出やすくなります」。言いかえれば、夜を通してその人の“素”が見えてくる部分はあるのかもしれません。
現時点では、検定の問題は国内の夜景に関連したものが中心になっていますが、今後はより国外に目を向けた問題も増やす予定とのこと。景観の差はあれど、夜の美しさはどの国にも存在します。
2級・3級の合格特典には、全国各地の展望台の割引もあります。検定をきっかけに家族や友人、恋人と美しい夜景に触れ、より「夜景の輪」を広めてみてはいかがでしょうか。
例題にチャレンジ!
【問題1】
別名「金城」または「錦城」と呼ばれ、「日本三大夜城」のひとつにも数えられる日本夜景遺産は次のうちどれか。
- 熊本城
- 松本城
- 姫路城
- 大阪城
【問題2】
広辞苑(1983年発行、第三版以降)では、夜景を「( )が感じられるころ」と説明している。次の中から( )に当てはまるものを選べ。
- 夜のにおい
- 夜のなごり
- 夜のけはい
- 夜のにぎわい
【正解】タイトル問題=3、問題1=4、問題2=3