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日英対訳で一茶俳句の心を学べる『英訳一茶100句集』 立川志の輔さんらの朗読も

 『英訳一茶100句集 俳句を学び 英語を学ぶ』は、「雀の子 そこのけそこのけ お馬が通る」「やせ蛙 負けるな一茶 これにあり」など一茶の有名な俳句100句を収録しています。選句は、言葉のように幼い時から音楽を聴いて覚える教育法「スズキ・メソード」の創始者である故・鈴木鎮一さんによるもの。「スズキ・メソード」の初期の生徒で、幼少期からバイオリンや一茶の俳句を習った宮坂勝之・聖路加国際大学名誉教授が、妻のシェリーさんと解説や英訳を手がけました。一句ごとに添えられた切り絵作家の柳沢京子さんによる作品も、イメージを膨らませ、理解を助けてくれます。

一茶の俳句の心を表現した英訳

 季節の移り変わりや風情、社会や生活など人間模様を、作者の思いとともに5-7-5のリズミカルな口調にのせて詠む俳句。日本語ならではの語感や美しい表現をどのように英語化したのでしょうか。

 俳句や日本文化に詳しくない英語圏の人や、俳句に初めて触れる子どもや親にも親しんでいただきたい、との思いから、宮坂さんらは翻訳に工夫を凝らしました。一茶の俳句の心を英語圏の文化として表現することを中心に考え、英語でも5-7-5の音節で形式を整える翻訳に加え、英語としてより詩的で美しい響きを重視したスタイルの翻訳も採用。自然な英語として口ずさみやすいスタイルでの表現になっています。

楽しみながら理解できる解説と温かみある切り絵

 本書収録の2句を引用してご紹介します。俳句の解釈とともに、文化や時代の違いの理解を助ける解説がつき、親や先生も楽しみながら子どもたちに説明できる構成になっています。

雪とけて 村いっぱいの 子どもかな

The snow has melted
the village has come alive
children everywhere

(解説)暖かくなり、積もっていた雪も解け、それまで家の中で遊ぶことしかできなかった子どもたちが、一斉に外に出て走り回り、遊び始めました。皆元気一杯で、賑やかになりました。いよいよ春の到来です。

やせ蛙 負けるな一茶 これにあり

Skinny frog
hang in there
Issa’s rooting for you

(解説)心やさしい一茶はいつも弱い者の味方です。やせ細った蛙を自分に見立てているのでしょう、強そうな大きな蛙と戦うやせ蛙に、「負けるな!」と声援を送っています。「勝て」ではなく、「負けるな」であるところが一茶らしいです。

立川志の輔さん、パックンによる日英朗読も楽しめる

 子どもの頃から本物の芸術に触れて感性を養う「スズキ・メソード」の本質を尊重したいと考えた宮坂さん。日本語も英語も、まず大人が理解したうえで子どもに意味を伝えてあげられるよう配慮されています。

 書籍や電子書籍をご購入いただいた方は、無料で全文の音源にアクセスできます。俳句と解説の読み上げを、日本語は一茶の時代からの伝統文化である落語の名人の立川志の輔さん、英語は日本文化に精通したお笑い芸人・コメンテーターのパックン(パトリック・ハーランさん)が担当。読んでも聞いても楽しめる一冊です。