2021年の節分は2月2日。筆者を含め、節分といえば2月3日と思い込んでいた人は多いのではないでしょうか? 地球が太陽の周りを回る公転の周期が365.2422日と、ぴったり365日ではないことから暦とのズレが生じ、うるう年で調整されても解消しきれないズレが積み重ねられた結果、節分の日も変わってくるのだそうです。節分が2月2日になるのは、なんと1897(明治30)年以来、124年ぶりとのこと。
そんなレアな節分に取り上げたいのが「鬼大図鑑」です。本書は日本各地の伝説や伝承に登場する鬼から、仏教に伝わる鬼や海外の鬼まで、57種の様々な「鬼」と呼ばれる存在について、イラストを交えて解説。「鬼」といえば「頭に角」「手には金棒」「トラ柄の腰巻」など思い浮かぶ共通のイメージはあるものの、いろんな鬼がいることを改めて思い知らされます。
中には、人気漫画「呪術廻戦」にも登場する、両面宿儺(りょうめんすくな)の姿も。「呪術廻戦」では“呪いの王”とも呼ばれる最強の特級呪霊として描かれているだけに、すさまじく強くて無慈悲で恐い鬼かと思いきや、“両面”だけに、また別の顔もあるようです。「日本書紀」では二つの顔、四つの手を持つ悪の怪物として描かれている一方、各地に伝わる民話では悪事をはたらく数々の龍を退治し、英雄として崇められているといいます。
本書によると、不思議なことに鬼にまつわる話は平安時代に多いんだとか。奇しくも、「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」といった鬼が登場する物語が大人気となっている現代。何かしら、時代の共通点があるのかもしれません。
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