「あの小説をたべたい」は、小説に登場するごはんやおやつを再現してみる動画コンテンツ。「どんな味だろう?」「こんな料理かな?」と想像をふくらませて、好書好日流のレシピで紹介します。“読む”だけでなく、ぜひ“作って食べて”物語の世界を味わってみてください。読んでから食べるか、食べてから読むかは、あなた次第です!
好書好日流「苺のスープ」の作り方
<材料(2人分)>
- イチゴ 1パック(250g)
- 砂糖 30g
- コーンスターチ 大さじ1(片栗粉でも可)
《A》
- 水 150ml
- レモン汁 大さじ1/2
- 洋酒(コアントローやラム酒など) 大さじ1/2
<作り方>
- イチゴのヘタをとり、ザク切りにする。
- イチゴと砂糖を鍋に入れ、中火で加熱する。水分が出て沸騰したら弱火に落として、イチゴが柔らかくなるまで5分煮込む。
- コーンスターチを水(大さじ1・分量外)で溶き、2に加えて混ぜ、再沸騰させてとろみをつける。
- ミキサーに3と《A》を加え、攪拌する。粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やし、冷えたら器に注ぐ。
近藤史恵『ときどき旅に出るカフェ』ってどんな作品?
37歳、独身、一人暮らしの瑛子。ある日、近所でカフェ・ルーズという小さな喫茶店を見つけます。そこは、かつての同僚・円が旅先で見つけた美味しいものを出すお店でした。本作は、日常の小さな事件や円の秘密が世界のスイーツをきっかけに解きほぐされていく、連作短編集です。
瑛子が会社の後輩・あずさとその彼と共にカフェ・ルーズを訪ねると、帰り際に「気になることがある」と言う円。「苺のスープ」は、その言葉が気になった瑛子が再び店を訪れた際に円が作っていた一品です。苺を煮ている香りがして「ジャム作ってるの?」と聞く瑛子に、「苺を煮ていても何ができるかわからない」と含みのあることを言う円。それはどうやら、あずさの彼のことを指しているようで……。
物語は何やらあやしい雲行きですが、苺のスープ自体は春を感じる甘酸っぱい冷製スープ。マスカルポーネをのせて食べるとやみつきになります。春のおやつにおすすめです。
<好書好日の記事から>
・近藤史恵『タルト・タタンの夢』のタルト・タタンを動画で味わう